智弁2年ぶり甲子園 近大新宮との熱戦制す

優勝を決めてマウンドに集まる智弁の選手
優勝を決めてマウンドに集まる智弁の選手

第106回全国高校野球選手権和歌山大会は29日、和歌山市毛見の紀三井寺公園野球場で決勝戦があり、智弁が近大新宮を4―2と接戦で下して2年ぶり27回目の優勝を果たした。試合は5回まで0行進したが、智弁が中盤以降に3本の適時打などで4得点。最終回に2点を返されるも逃げ切り、甲子園出場を決めた。

第16日

【決勝戦】

智弁
近大新宮

〔智〕渡邉、中西―上田〔近〕響、田中、小田島、西田、西島―井上▽二塁打=高桑(智)

近大新宮は、智弁打線の1巡目を響、2巡目を田中、3巡目を小田島、4巡目から西田、9回を西島と小刻みに継投。5回まで、智弁は走者を出すも好機を逸した。

試合が動いたのは6回表、智弁は、高桑が右中間に二塁打を放ち、2死となって松嶋の三遊間を破る適時打で先制に成功する。7回には2死から福元の右安と四球で一、二塁とし、高桑の左前適時打で2点目を挙げた。さらに8回、四球、投犠、左安で1死一、三塁の好機をつくり、山田の適時内野安打と福元の右犠飛で2点を追加した。

投げては、智弁のエース・渡邉が8回まで味方の好守備もあり無失点と好投。最終回に2死から三連打を浴びて満塁とされ、味方の悪送球で2点を返されたが、交代した中西が最後の打者を中飛に打ち取り、智弁が2点差で制した。


7回表、高桑の適時打で2点目の本塁にかえる福元(智弁)
7回表、高桑の適時打で2点目の本塁にかえる福元(智弁)

中谷仁監督 去年夏の初戦敗退から、長い長い1年だった。選手全員が同じ方向を向いて固い絆できょうまで来ることができた。和歌山県代表として、絶対に日本一を取って帰ってくるんだという思いで、一戦一戦たたかっていきたい。

松嶋祥斗選手 この1年間、うまくいかないことばかりだったが報われた。うれしくてとても幸せ。

中西琉輝矢投手 角度のある真っすぐの球威で自信を持って腕を振った。甲子園ではどんなピンチも動揺せずに自信を持って、チームを勝たせる投球をしたい。

辻旭陽主将 目の前の相手に全力で勝ちにいこうとした結果。和歌山県代表として他校の思いも紡ぎ思いを力に変えて、優勝旗を持って帰りたい。