100周年の甲子園開幕 智弁和歌山が堂々行進

聖地の土を堂々と踏みしめる智弁和歌山の選手
聖地の土を堂々と踏みしめる智弁和歌山の選手

第106回全国高校野球選手権大会は7日、100周年を迎えた阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕した。開会式では各地方大会を勝ち抜いた49校が力強く行進。2年ぶり27回目の出場となった和歌山県代表の智弁和歌山も胸を張って堂々と踏みしめた。辻旭陽主将は選手宣誓を務め、「僕たちには夢があります。この先の100年も、ここ甲子園が聖地であり続けること。そして、僕たち球児の、憧れの地であり続けることです」と願い、全力プレーを誓った。

行進は、沖縄代表から北北海道代表まで、原則南に位置する学校から順に入場し、開幕試合に出場する有田工業(佐賀)と滋賀学園(滋賀)は48、49番目を歩いた。智弁和歌山は17番目の入場となり、辻主将が先頭に1人立ち、その他の選手は3列に並んで行進した。

各校の選手は吹奏楽の演奏の下、右翼側からグラウンド内に入り、一塁線、本塁付近、三塁線と進んで外野に整列。全校が並んだ後、一斉に内野へ進んだ。

国旗と大会旗の掲揚などの後、大会会長を務める朝日新聞社の中村史郎会長があいさつし、優勝旗の返還や盛山正仁文部科学大臣による祝辞などが続いた。

辻主将は、かつて智弁和歌山を指導した元大リーガー、イチローさんの言葉「努力したとしても、報われるとは限らない。しかし、努力しなければ、報われることはない」などを紹介しつつ、各校の選手を背に「多くの人々に、希望と勇気と感動を与えられることを願って、全力でプレーする」と力強く宣誓し、球場は大きな拍手に包まれた。


江川卓さん始球式
始球式を務めた江川さん
始球式を務めた江川さん

開会式に続く開幕試合では、プロ野球・巨人の元投手、江川卓さん(69)が始球式を務め、大きく振りかぶって、右打者の内角に山なりのワンバウンド投球を披露した。

江川さんは高校時代、作新学院(栃木)で無安打無得点試合を9回、完全試合を2回達成。第45回選抜大会では1大会通算最多の60奪三振を記録するなどし、「怪物」と呼ばれた。球場の歴史の中でも鮮烈な印象を残したことから、節目の大会で始球式の大役に決まった。