岩出市から四十住に大声援 五輪連覇ならず

四十住選手がトリックを決め、沸き上がる会場
四十住選手がトリックを決め、沸き上がる会場

パリ五輪のスケートボード女子パークが6日に行われ、岩出市出身で東京五輪金メダリストの四十住さくら選手(22)=第一生命保険=は予選で振るわず、上位8人が進む決勝に残ることができなかった。連覇の夢はかなわなかったが、同市ではパブリックビューイングが開かれ、恩師や同級生ら約200人が大声援を送った。

四十住選手を地元のみんなで応援しようと、パブリックビューイングは同市が主催。根来の旧県議会議事堂(一条閣)を会場に、参加者は大スクリーンで競技の行方を見守った。

中芝正幸市長は「2回目は前回と違うプレッシャーがあると思う。情緒ある夜の一条閣から熱い声援を送りましょう」とあいさつ。

四十住選手から「パリでサクラを満開にできるよう全力でチャレンジしたい。岩出市のみなさん、頑張ってくるので応援よろしくお願いします」とビデオメッセージが流れると、会場は大きな拍手に包まれた。

四十住選手は東京五輪で金メダルを獲得し、連覇を目指す中、昨年に右膝後十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った。しかし奇跡の復活を遂げ、再び五輪の舞台に立った。

日本時間の午後7時半から競技はスタート。四十住選手が出場するパークは、坂や曲面が組み合わされたボウル状のコースで行われ、トリックの高さやスピードなどを採点する。選手は45秒間の「ラン」を3回行い、最も点数が高かったランで順位が決まり、予選の上位8人が決勝に進む。

四十住選手は1組目に登場。1本目、空中で1回転半する「540(ファイブフォーティー)」を成功させ、会場は沸き上がった。2本目、3本目はミスがあり得点を伸ばすことができず、79・70点で暫定4位。決勝進出は残り3組16人の結果次第となり、会場では約2時間、固唾をのんで見守ることとなった。

最終4組目の2人が80点を超え、7位の四十住選手が決勝の圏外になると会場はどよめいたが、健闘をたたえて全員が拍手を送った。

四十住選手の母校、伊都中央高校で3年時の担任だった太田真輔教諭(40)は「人懐っこくて、お菓子とスケートボードが大好きな生徒だった」と振り返り、「残念だが、精いっぱいやっている姿を見ることができてうれしかった。こんなに多くの地元の人に応援してもらっていることに感謝」と笑顔でねぎらった。

高校の同級生だった井元亜美さん(23)は「すごい頑張ってる姿を見て感動した」、森岡帆永(はんな)さん(22)は「最後までどうなるか分からずドキドキした。お疲れさまって言ってあげたい」と話した。

親子で応援した上野正子さん(75)と智美さん(51)は「四十住さんは岩出市の誇り。これからも応援していきたい」と健闘をたたえていた。