巫女の姿を神聖・優美に 土井さん素描展

作品を紹介する土井さん
作品を紹介する土井さん

和歌山市の洋画家、土井久幸さん(48)の素描展「祈り」が22日、同市十二番丁のMsギャラリー12番丁で始まった。9月1日まで。

土井さんはフランスを描いたクレパス画で高い評価を受け、2013年に市文化奨励賞、15年に大桑文化奨励賞に選ばれ、若手芸術家の登竜門といわれる昭和会展の最高賞を受賞。ことし10月にはフランスで初となる個展を予定している。

ライフワークとして毎年フランスを訪れ、風景や人物をスケッチしていたが、コロナ禍で中断。

「興味はあるけど晩年にとっておこう」と思っていた神社を2020年から描き始めた。本格的に取り組もうと県内外の550社以上を訪れ、成り立ちなどを取材。現場スケッチ、人物デッサン、クロッキーをし、その中から気に入った作品をクレパスや水彩で仕上げている。

中でも巫女(みこ)が舞う美しさに魅せられ、その神秘的な姿を数多く描いた。今回の作品展ではその中から約40点が並ぶ。

岩出市の清水啓吾さん(77)は「普段見ることができない巫女の表情などを見ることができ、聖なる気持ちになって心が静まった」と一つひとつの作品をじっくり鑑賞していた。

土井さんは「完成した作品だけでなく、デッサンやクロッキーも展示しています。絵を完成させるまでの過程も楽しんでください」と呼びかけている。

午前11時から午後7時(最終日は5時)まで。27日は休廊。問い合わせは同所(℡073・431・8255)。