還暦タップ軽やかに 田中美和さん記念ライブ

田頭さん㊨の演奏に合わせてタップを踏む田中さん
田頭さん㊨の演奏に合わせてタップを踏む田中さん

和歌山県内唯一のタップダンス教室を主宰し、ことし60歳を迎える岩出市の田中美和さん(59)の還暦記念ライブが22日、和歌山市米屋町のライブハウス・モーメンツで開かれた。田中さんは長年の目標の一つだった「還暦ライブ」を実現させた他、挑戦、憧れ、夢がかたちになったようなステージで、教室生や仲間、ファンらと共に節目を祝った。

田中さんは1987年に「スタジオぽこ・あ・ぽこ」を開設。タップに出合って約40年、情熱を絶やすことなく、和歌山にちなんだ楽曲で独自の和風タップを発表し、教室生と共に国内外でステージに立ってきた。

この日は、「紀州つれもて音頭」「根来の子守唄」など地元を題材にした楽曲をはじめ、昭和の名曲やジャズのスタンダードナンバーに乗せてタップを披露。

親交のある地元シンガー・ソングライターとの共演ステージもあり、田頭宜和さんは、2016年に田中さんに贈った曲「ギフト」をピアノで弾き語り。藪下将人さんは
この日のために「レッツタップダンス」と題した曲を作り、田中さんがそれぞれの生演奏に合わせて軽やかにタップを踏んだ。

また、元宝塚歌劇団雪組俳優、同市の星沙紀帆さんがスペシャルゲストで登場。星沙さん歌唱のもと、田中さんが赤いドレス姿でしなやかに舞い、大の宝塚ファンという田中さんの憧れだった「宝塚の娘役」がかたちになった。その他、音楽に乗せて、生徒たちと共に14年ぶりの手話にも挑戦した。

ぽこ・あ・ぽこは、来年の大阪・関西万博の和歌山ゾーンへの出演が決まっており、フィナーレには、万博オフィシャルテーマソングの盆踊りの振り付けを、来場者と一緒に楽しみ、一体感のあるライブとなった。

田中さんは「40年間続けてこられたのは、すてきなたくさんの出会いと、続けられる環境があったから。還暦の年にライブができる私は、幸せ者です。ありがとうございました」と涙をにじませながら深く頭を下げた。