政治と金「深く反省」 石破首相が海南で街頭演説
石破茂首相(自民党総裁)は20日、和歌山県海南市のJR海南駅前で街頭演説し、党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金など「政治と金」の問題について「深くお詫び申し上げる」と陳謝し、「深い反省のもと、公正公平、謙虚な政治をもう一度取り戻していく」と決意を述べた。
衆院選和歌山2区の党公認候補の応援のための来県。政治と金については、「誰からいくらもらったかが明らかでなかった。最終的な責任は総裁たる私が全て負う。明らかにしていく。もうこのようなことはやらない」と話した。
政権で取り組む政策では、防災体制の強化として、地震や大雨の予測精度を上げるために気象庁の予算を増やすこと、プライバシーや快適性が確保される避難所への改善などを挙げた他、コストカット型経済を転換し、物価上昇を上回る賃金上昇を実現させ、結婚したくてもできない人をなくし、人口減少に歯止めをかけると訴えた。
さらに、地方を守り、発展させる重要性を強調し、「いつの時代も国を変え、歴史を変えるのは地方であり、庶民、大衆だ。与党が引き続き政権を担う力を、和歌山から与えてほしい」と呼びかけた。
昨年4月に和歌山市の雑賀崎漁港で岸田文雄首相(当時)に向けて爆弾が投げ込まれた事件や、19日に東京の自民党本部に火炎瓶が投げ込まれ、首相官邸に車が突っ込んだ事件を受け、演説会場の海南駅前は厳しい警備態勢が敷かれた。来場者は金属探知機によるチェックと手荷物検査を受け、演台と聴衆の間は距離を取った上で金属の柵で仕切り、周辺のビルの屋上などには多くの警察官が配備された。
2区は、裏金問題の責任を取るとして引退した二階俊博元自民党幹事長の三男で自民新人の二階伸康候補(46)、裏金問題で離党した前自民党参院幹事長で無所属新人の世耕弘成候補(61)が対決する保守分裂選挙。立憲民主党新人で前和歌山市議の新古祐子候補(52)、共産党新人で前県議の楠本文郎候補(70)、政治団体「鼎立の党」新人で農業の高橋秀彰候補(42)を含む5人が戦い、全国屈指の注目選挙区となっている。