グアテマラ支援で交流 ソロプチミスト和歌山
女性の地位向上や青少年支援などに取り組む奉仕団体「国際ソロプチミスト(SI)和歌山」(須佐眞理子会長)は、グアテマラ共和国サンチャゴ・アティトラン市のマヌエル・レアンダ元市長夫妻を和歌山市に迎え、1日に歓迎のパーティーを開いた。SI和歌山による同国の内戦被害者の支援活動などを通じてマヌエル氏とは20年来の交流があり、旧交を温めるひとときとなった。
SI和歌山とグアテマラのつながりは2001年度にさかのぼる。認証30周年の記念活動に国際的な支援先を探していたところ、同国で1960~96年の36年間続いた内戦の被害者を支援し、社会的自立を目指している和歌山大学ラテンアメリカ研究会と宮西照夫教授(現名誉教授)の活動を知り、共に支援に取り組むことを決めた。
現地はマヤ文明の豊かな文化を受け継ぐ人々が暮らすが、内戦中に目の前で夫を殺され、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ女性たち、貧困のため教育を受けられず、読み書きもできない子どもたちなどが数多くいた。
SI和歌山は02年5月の30周年記念式典に、現地の女性グループの代表と、弁護士として現地で活動するレアンダさんを日本に招き、女性の自立を支援する「イシムカネ自立支援センター」を設立、寄贈。女性たちが民芸品を作る作業場や集会所などに活用され、8月には現地での開所式に会員4人が出席した。さらに03年1月には、内戦被害者の子どもの就学を支援する里親制度となる「ツトウヒルマヤ育英基金」を設立した。
ようやく復興の兆しが見えてきた矢先の05年10月、ハリケーンにより自立支援センターや周辺地域は甚大な被害に見舞われ、会員たちは和大ラテンアメリカ研究会と共に募金活動を実施し、支援金を送付。復興支援の意義も込め、翌06年11月にはグアテマラから女子留学生2人を招待し、和歌山市内の小学校での教育実習、市民との交流などを行った。
11年2月には、現地サンチャゴ・アティトラン市の市長となったレアンダさんが来和し、大橋建一和歌山市長(当時)を表敬訪問。5月には、SI和歌山の認証40周年記念事業として、支援センター内に小学校が建設され、10年間に及んだ支援は大きな区切りを迎えた。
今回、久しぶりに和歌山市を訪れたレアンダさんは、クリスティーナ夫人と共にSI和歌山会員らと和やかに交流。宮西名誉教授が通訳を務めた講演では、SI和歌山の長年にわたる支援に感謝し、教育支援を受けた子どもが教師となり、今の子どもたちを教える側となっている事例などを紹介。現地ではなお貧困が続き、女性たちが作る民芸品も販路を確保できないなど厳しい現状があることも話し、教育支援も引き続き必要であることを訴えた。
「貧しさから抜け出す一番の方法は教育だ。最初に勉強した子どもたちが今、成功しているのも皆さんの素晴らしい支援のおかげ。中米ではまだ組織化された女性の活動は少ない。女性の力が国際的にさらに発揮されることを期待している」とレアンダさんは笑顔で語った。
須佐会長は「私たちの支援が実を結んでいることをお聞きし、感激している。長くつながることができ、現地で立ち上がっている人たちがいることは、私たちにとっても励ましになり、心を支えてくれる。宮西先生につないでいただいたおかげで、感謝している」と話した。