全国の鈴木さん集結 発祥地で11年ぶりサミット
全国の「鈴木さん」が集まる鈴木サミットが17日、11年ぶりに和歌山県海南市で盛大に開かれ、東京都や秋田、石川県など、全国から「鈴木さん」約80人が集結。前夜祭を開いたり鈴木屋敷を訪問したりして、「鈴木姓」の誇りを胸に一致団結した。
第8回鈴木サミット実行委員会(神出勝治委員長)が主催。藤白神社・鈴木屋敷が、昨年に復元されてから初めての開催。熊野古道の世界遺産登録20周年の記念事業として、行政の協力のもと開催された。
全国に185万人いるといわれる鈴木姓。ルーツとされる鈴木屋敷は、江戸時代後期に建てられたとされ、平安時代末期に熊野から移り住み、同市藤白を拠点に全国へ熊野信仰を広めた藤白鈴木氏の邸宅。昨年3月に復元された。
メイン会場の海南保健福祉センターには鈴木さんをはじめ、全国で一番多い苗字「佐藤姓」の発祥の地である、栃木県佐野市から「佐藤の会」やブランドキャラクターの「さのまる」、関係者ら200人以上が参加した。
鈴木屋敷のアピール方法やグッズの提案の他、佐藤の会の取り組みや佐藤グッズの紹介、関東藤白鈴木会の活動報告が行われ、芸能界の鈴木さんらからのビデオメッセージが映されるなどし、参加者は鈴木姓発祥の地を広める決意を新たにした。
芸能界から、お笑いコンビ「キャイ~ン」のウド鈴木さんと、アニソン歌手の鈴木このみさんがビデオで登場。「鈴木に特別な感情が無かったが、屋敷を訪れ鈴木姓に誇りを持った。一緒に鈴木発祥の地を広めていきましょう」と、会場にメッセージを届けた。
博報堂クリエイターによるパネルディスカッションでは、鈴木屋敷を話題化するための鈴木グッズの提案が発表され、藤白神社の聖水を使用した「お浄めスプレー」や、「鈴木の印鑑」などのグッズ提案や、佐藤姓をあえてライバルにして、注目を集めるなどのアイデアを出した。担当者は「まずは鈴木屋敷を知ってもらうきっかけをチャーミングに演出し、鈴木の価値を高めていくといいのでは」と話した。
神出委員長は「鈴木姓が200万人になることを願う。サミットを機に鈴木姓、鈴木屋敷の認知度を全国に高めていきたい」とあいさつした。
第1回目から鈴木サミットに参加し、鈴木屋敷復元にも尽力した東北鈴木姓発祥の地、秋田県から来場した鈴木杢之助重廣さん(55)は「海南市を鈴木姓の発祥の地として共に盛り上げていきたい。鈴木に関するグッズを充実させていってほしい」と話した。
来場前に鈴木屋敷を訪れた鈴木さんらは「鈴木さんいらっしゃいと書いたのぼりがたくさん並び、こんなにも鈴木姓を歓迎してくれていることに感激した。全国に鈴木姓を広めていきたい」と話していた。
海南市内では関連イベントも開催されており、鈴木屋敷では23日まで、鈴木さんは拝観料が通常300円のところ0円となる。佐藤さんは5万円とユニークな設定。鈴木姓を装うことも特別に認める。
その他、道の駅海南サクアスでは24日までスズキ社製の二輪、四輪車で来店し買い物や食事をした人に「鈴木大躍進」ステッカーをプレゼントする。