得意生かすモノクロ 川口・磯間さん写真展
和歌山市の川口理一郎さん(93)と岩出市の磯間弘児さん(77)の2人による2年ぶりの写真展「それぞれの視点Ⅲ」が21日まで、和歌山市古屋のティーズカフェで開かれている。
2人はいずれも写真歴40年以上の大ベテラン。川口さんはワカヤマフォトクラブ顧問で講師、磯間さんは同クラブ会長を務めている。
30年ほど前、県展に出品されていたある写真作品を磯間さんが鑑賞し、「上手だな、誰の作品だろう」と衝撃を受けたことが、2人が親交を深めるきっかけとなった。
磯間さんが作者を確認すると、同じ和歌山フォトクラブに所属している川口さんだと判明し、それから2人は、共に写真撮影に出かけるようになった。
川口さんは「なぜか馬が合った」と笑顔で話す。現在も互いを尊敬し合い、切磋琢磨(せっさたくま)しながら撮影を楽しんでいる。
「自分がここに居ないと撮れない瞬間の写真を撮りたい」との思いを大切に持ち川口さんは、主に人物や動きのある被写体を選ぶ。
一方の磯間さんは、人とは違った視点や構図を大切にし、心象写真や造形写真などを主に撮影している。
今回の写真展には、これまでに2人が撮影した街角スナップや心象風景、造形写真など、それぞれの得意分野を生かしたA4サイズのモノクロ作品20点が並ぶ。
並んだ数人の女性を影で表現した川口さんの作品「別れの朝」は、朝方、別れを惜しんで話す女性たちが、さよならの握手をした瞬間を捉えた一枚。その場に居たからこそ撮れたスナップ写真の面白さが伝わる作品となっている。
磯間さんは、〝くの字〟に曲がったように見える街灯や、毎日表情を変える紀の川沿いの空、朽ちていく建物など、感性のおもむくままに撮影した芸術センス豊かな作品が並ぶ。
川口さんは「写真は瞬間。何を見てほしいかを大切に楽しんでいる。ぜひ見にきてください」と話し、磯間さんは「川口さんは一番尊敬する先輩。とても光栄なこと。2人のジャンルの違う作品を楽しんでもらえたら」と来場を呼びかけている。
午前11時~午後5時。定休日は月、火曜と第4日曜。問い合わせはティーズカフェ(℡073・460・4715)。