新春は和歌山城から 初日の出に2600人にぎわう
2025年最初の朝を迎えた1日、和歌山城公園では元旦恒例の天守閣無料開放が午前6時から9時まで行われた。ことしは穏やかな天候に恵まれ、晴れ渡る空に初日の出が昇り、城下町を明るく染めていく様子が見られた。2594人(大人2362人、子ども232人)が来場し、和歌山市のシンボルで新春のスタートを切った。
公園内では、昨秋から行われているライトアップ「和歌山城~光の回廊~」や元旦恒例の「新春つれもて歩こう走ろう会」などのイベントもあり、夜明け前から訪れた多くの市民らでにぎわった。
「光の回廊」は、年越し特別バージョンのカラーライトアップを大みそかの日没から1日午前7時まで夜通し実施。紅白の光など、新年を彩る演出で訪れる市民らを迎えた。
天守閣の無料開放では、ことしも先着1000人に「令和七年乙巳(きのと・み)元旦 和歌山城」の文字と徳川家の三葉葵の紋が入った記念のかわらけ(杯)をプレゼント。入場開始の午前6時前には、順番を待つ列が天守閣前広場から表坂の途中まで100㍍以上も延びた。入場が始まると、市内を一望できる大天守の最上階を目指して列は進み、初日の出が正面から見える東側から来場者で埋まった。
この日の朝の最低気温は平年並みの3・7度(7時32分)。7時5分に日の出を迎えると、温かな日差しが降り注ぎ、訪れた人は、家族や友人らと一緒に日の出を見つめたり、写真を撮ったりと、晴れやかな様子で新年を迎えていた。
一番乗りを果たしたのは、紀美野町出身で現在は山口市在住の会社員、北前友哉さん(26)。13年前、友人と一緒に初日の出を見に来て以来、毎年訪れており、一番乗りを他に譲ったのは一度だけという。今回も31日午後10時45分から並び、最前列で年を越した。
ことしも一番だったことは「いつも通りです」と淡々としながらも、「この場所で仲良くなった人と毎年出会う。和歌山城から見る初日の出はいい。いい一年にして、来年も来たい」と話していた。
天守閣前広場にはことしも、戦国時代の鉄砲集団・雑賀衆でまちの活性化に取り組む「孫市の会」が甲冑(かっちゅう)姿で登城し、来場者との記念撮影に応じた。広場の「お天守茶屋」は、温かい生姜湯などを求める来場者で混雑した。