和歌浦せんべいのデザイン考案 和歌浦小児童ら

和歌浦せんべいをPRする児童と林代表
和歌浦せんべいをPRする児童と林代表

和歌浦の魅力をたくさんの人に伝えたいと、和歌山市和歌浦西の和歌浦小学校(松尾友絵校長)の5年生23人は、「和歌浦せんべい」のデザインを考案した。和歌浦天満宮と地域の人の温かさが描かれたオリジナルのせんべいは、同市和歌浦南の鷹屋製菓(林美保代表)が製造。2月1日から1カ月の期間限定で販売する。

総合学習の一環。観海閣、不老橋、蓬莱岩など景勝地の焼き印が入っている和歌浦せんべいに、自分たちが知る魅力的なまちの風景を入れ、日本全国、世界に発信し、和歌浦を有名にしたいと4月から話し合いを進めてきた。

まずは、どこの場所を描くかを決めようと、100種類以上ある和歌浦せんべいのデザインを調査。これまで描かれていない風景で、魅力的な所はないか意見を出し合った。

明光通り商店街、和歌浦食堂、和歌浦小学校などさまざまなアイデアが出る中、湯川紗衣さんは「長い石段を下から見上げた風景がいい」、神谷葉菜さんは「神様がいる場所で縁起がいい。幸運を届けられそう」と和歌浦天満宮を推薦。その意見に他の児童も賛成した。

イラストについては林代表が「細かいイラストは焼印を押したときに焦げが多くて苦くなる。シンプルなものがいい」とアドバイス。

和歌浦天満宮と人の温かさをテーマにそれぞれが考え、投票で決めた。

完成したのは、和歌浦天満宮の前でほほ笑む様子が描かれたイラスト。焦げが多くなるからと、天満宮の長い階段数を少なくするなど工夫したという。

16日、出来上がった商品が児童らにお披露目されると、皆「かわいい」と喜びの表情。

林代表は「小学生のデザインを採用したのは初めて。ほのぼのとしたすてきなイラスト」とにっこり。

25日、児童らは完成したせんべいを持って和歌浦天満宮を訪れ、神前に奉納。報告祭の神事に参列し、小板政規宮司が祝詞を奏上。児童を代表して本谷梨月さんが玉串をささげた。

小板宮司は「和歌浦天満宮がこれまで描かれていなかったことに気付き、にこやかに描いてくれてうれしい」と感謝。木谷さんは「香ばしくて懐かしい味がする和歌浦せんべいを多くの人に食べてもらい、和歌浦の魅力を知ってほしい」とPR。「私たちの考えたデザインが定番になってくれたらいいな」と話していた。

商品は3枚入り80円。鷹屋製菓で販売する。