学びの成果を仲間と共に りら地救DAY発表会

タップダンスを踊る生徒
タップダンスを踊る生徒

芸術教育を中心とする和歌山県紀美野町真国宮の、りら創造芸術高校(山上範子校長)の後期総合授業発表会「第4回りら地救DAY」が2月22日、紀美野町文化センターで開かれ、生徒が一年間で学んだことを舞台や展示を通して発表した。

発表は朗読やバンド演奏、ダンス、劇、創作ミュージカルの3部構成で行われ、ロビーには美術作品の展示も並び、保護者や一般来場者など約500人が訪れ、鑑賞した。

地救DAYは、「りらから世界を変える」ことを目指し、世界のさまざまな問題について生徒が話し合い発信する企画。本年度の学校テーマ「いのちの輝き」で、地救DAYのテーマは「教育」とした。

朗読では、世界の学校や生徒のことを調べた中で考えた「今自分たちにできることは何か」について発表した。

生徒は、自分たちは、環境が整った学校へ当たり前に通うが、それは当たり前ではないこと、世界では同じ年頃でありながら学校へ行くことができない人や、片道2時間以上もかけて通学している子がいるなどの現実があることを知ったという。

過酷な生活の中でも、夢を持ち実現させるために学びたいと、学校へ通う海外の子の姿勢に、2年の杉山和鼓さんは「今を生き、学ぶことの意味を改めて考えた。世界を回り、みんなが笑顔になる世界をつくりたい。経験を糧に進んでいきたい」と力強く伝えた。

また、同高を選んだ理由などをそれぞれが振り返り、進学校の中学校から来た生徒は「中学で知識は十分学んだ。自分の可能性を信じて挑戦したい」と同高を選び、大人数の中学校から来た生徒は、人間関係に悩み少人数で学びたいと同高を選択したと話した。

美術作品展示では、1年間で1000枚の線画を描く「1000枚ドローイング」作品やデッサン、写真などが並んだ。

1000枚ドローイングを3年間続け、計3000枚以上を描いた3年の川口倫李亜さんは「3年間の集大成。それぞれのジャンルで、みんなの個性が豊かなものばかり。これまでを振り返り、いつも相談に乗ってくれた先生や後輩にありがとうと伝えたい」、3年の橋本賢太郎さんは「一年間、みんなで意見を出し合い取り組んできた。3年生にとっては最後で、3年間で一番緊張したけど自分なりに出し切れた。後輩のためにもいい舞台にしたかった」と話した。

来場した同町の70代の女性は「舞台や美術の完成度が高くパワーをもらった。生徒らの成長を感じた。とても良いものを見せてもらった」と笑顔だった。