米一粒に思い込め 有功東小がおにぎり弁当販売へ

努力の結晶が詰まった弁当をPRする児童たち
努力の結晶が詰まった弁当をPRする児童たち

和歌山市六十谷の有功東小学校(小林和歌校長)の5年風組29人は、自分たちが育てた米と、和歌山の食材を使った地元の魅力が詰まった弁当メニューを考えた。たくさんの人に食べてもらいたいと試作を重ね、20日から31日まで、同市八番丁のうどんとおむすび紬(つむぎ)で販売する。

同校の5年生は、総合的な学習の一環で昨年4月から近隣の田んぼを借り、地域の人やJAわかやまと協力し、米作りに取り組んできた。10月に収穫した米約400㌔は、市立和歌山高校の生徒が主体となって行う販売イベント「市高デパート」や、授業参観で保護者に販売した。

その後、社会科の授業で「作る・加工・販売」という6次産業について学んだことから、自分たちも挑戦したいと、5年光組の児童らは残りの米を使って自分たちで考えたおにぎりを作り、このほど保護者に販売した。

鮭、ラーメン風、梅、じゃこ、ウインナーたまご、ワカメなど8種類を用意し、すぐに売り切れたという。

風組の弁当開発には飲食店を経営する、同市のTABLOCAL(タブローカル)の奥畑公康代表が協力。児童は奥畑代表に考えたメニューを提出し、アドバイスをもらった。「原価率を30%に抑えること」と教えられ、もう一度食材の計算をし、メニューを考え直した。出来上がったのはシラスを入れただし巻き、梅干しを使ったポテトサラダ、米のおいしさが感じられる塩のおにぎりで販売価格250円。

2月26日には2回目の試作をし、PR用のチラシに使う写真撮影も行った。

福西凌成さん(11)は「農業や料理は今まで人ごとだと思っていたけど、やってみると大変だということが分かる貴重な体験だった」と話す。

米作りでは農薬をまくかどうかで意見が分かれたといい、村上藤さん(11)は「無農薬にするにはこまめに雑草や虫などを取らなければならず、その作業がものすごく大変だと知り、自分たちはそれができないので少しだけ使うことにした」という。

村上さんは「保護者以外の人に食べてもらうのは初めて。人のために作り、みんなに食べてもらうのはうれしい」、福西さんは「自分たちの努力の結晶が詰まったお弁当をたくさんの人においしく食べてもらいたい」と笑顔。

弁当は児童らが考えたレシピを、うどんとおむすび紬が作る。販売は午前11時半から売り切れるまで。初日の20日は児童らが店頭に立ち、PRする。