異文化交流深めよう 福島小でブラジル県人会と交流

同会と質問し合う児童ら
同会と質問し合う児童ら

和歌山市福島の福島小学校(中村祐佳子校長)で2月28日、5年生と6年生の児童55人が、ブラジル和歌山県人会の会員6人とオンライン交流をし、両国の生活習慣を紹介し合った。

県内からブラジルへはこれまでに約3万3000人が移住しており、全国で6番目に多い。交流は、移民の歴史や異文化理解を深めようと、県が2021年に始めた「わかやま国際ネットワーク」の一環。24年度は同校が5校目の実施となる。

同会は1954年に創立し、ことし71年目。約120人が新年会や慰労会、ピクニックなどで交流している。

オンライン交流は、午前9時(ブラジルサンパウロ時間27日午後9時)に始まった。日系2世の谷口ジョゼ眞一郎会長(82)がパソコンの画面越しに、ポルトガル語の通訳を務めながら日本語で、高校生、大学生から80代までの参加者を紹介した。

ブラジルでの8月第2日曜日の「父の日」の様子や、高校について映像で紹介。カラオケやバーベキューで盛大に祝う「父の日」の映像に児童らは興味を示し、ブラジル最大の民衆祭「カーニバル」の話にも聞き入った。

児童らは映像で校内の施設やランドセル登校、朝の掃除、好きな給食、運動会の様子などを伝えると「おー」「楽しいねぇ」と会員らも感嘆の声を上げた。最後に児童らはソーラン節を披露し、谷口会長らは「何の楽器が好きか」「将来の夢は何か」などと尋ねた。

鈴木颯(はやて)さん(12)は「カーニバルで夜中も踊るという話が面白い」、青木玲奈さん(12)は「優しそうで話しやすかった」、松本紗那さん(12)は「こんな機会はあまりないです。ブラジルの学校生活とかいろいろ知った」と笑顔。

中村祐佳子校長は「国際感覚や新しい価値観を養う良い機会。人の気持ちを共有し、人の心を思いやれるようになってほしい」と話した。

卒業式までに児童らは同会に手紙を送るという。

ソーラン節を披露
ソーラン節を披露