全長6㍍の骨格復元 ワカヤマソウリュウ巡回展

解説する小原さん㊧と岸本知事
解説する小原さん㊧と岸本知事

2006年に和歌山県有田川町で発見され、23年に新種となったモササウルス類の新種ワカヤマソウリュウの全身復元骨格と、生体復元模型を紹介する巡回展「復活!!ワカヤマソウリュウ」が、和歌山市小松原通の県民文化会館で9日まで開かれている。

ワカヤマソウリュウは、学名「メガプテリギウス・ワカヤマエンシス」といい、海に生息した大型海生爬虫(はちゅう)類。「海の王者」としても知られている。

有田川町鳥屋城山で推定約7200万年前の地層から発見された。約8割の部位が残っている世界でも数少ない完全な形をとどめた、極めて貴重な全身骨格化石。

会場には、化石を元に制作した、実物大の全身復元骨格(全長6㍍)と、生きていた姿を復元した生体復元模型(全長1・2㍍、縮尺5分の1)が並び、椎骨や頭部の迫力ある骨格が近くで見ることができる。

生体復元模型は、セグロウミヘビやトカゲなどを参考に復元した。モササウルス類では初となる背ビレを付けた。

他にも、パネル展示では、他のモササウルス類にはないユニークな特徴なども知ることができる。

県立自然博物館の小原正顕学芸課長によると、前のヒレに比べて長い後ろのヒレを持ち、さらにどちらのヒレも頭部より長いのはワカヤマソウリュウだけだといい、また、椎骨からは背びれもあったのではと推察されるという。「ワカヤマソウリュウは、とても珍しい発見です。和歌山で見つかったことを県内外の人に知ってもらいたい」と話している。

巡回展初日の2月28日には、式典が行われ、岸本周平知事ら関係者らが出席。テープカットや展示の解説などがあり、開催を喜んだ。

展示は1階特設展示室で午前10時~午後4時。今後は、15日~4月6日に自然博物館、4月中旬からは有田川町地域交流センター「ALEC」、7月下旬から南紀熊野ジオパークセンターでの展示を予定している。