厄を払い福授かろう 紀三井寺の初午にぎわう

厄よけに最も御利益のある日とされる旧暦の「初午(はつうま)」の2日、和歌山市の紀三井寺(前田泰道貫主)で恒例の「初午福つき大投餅」が行われ、境内は約500人の参拝客でにぎわった。
5俵分のもち米を使って作られた福餅は、「大福」と赤く書かれた直径約80㌢の大福餅をはじめ、大小約5000個。
境内に設けられたやぐらにことしの福男として、同市三葛の洋画家・中尾安希さん(83)ら年男6人と、1月8日の福開き速駈詣り(はやがけまいり)で「速駈王」4連覇を果たした京都府の石田諒太さんが裃(かみしも)姿で並んだ。石田さんはことし新記録を樹立して優勝。年男でもあることからダブル福男として紹介され「来年は5連覇を目指す」と笑顔。
前田貫主が大福餅を投げ、激しい争奪戦で餅まきがスタート。「厄をはらって福を授かりましょう!」という掛け声で福男らが福餅の他、パン、お菓子、洗剤やスポンジなど地元の協賛企業の商品も一緒に投げると、参拝客は手を伸ばして降ってくる「福」をつかんでいた。
和歌山市の30代夫婦は「たくさんの福がもらえた」と袋いっぱいの餅とお菓子を手にして笑顔。
前田貫主は「多くの人に来てもらい、福を持って帰ってもらえてうれしい。世の中、争いが多いが、自分ではなく、人のことを優先することで周りが笑顔になる。それを心がけ楽しい1年を過ごしてほしい」と話した。