駅を彩るウォールアート 貴志川中・高生が制作


自分たちが描いた絵でまちを彩り、地域の人に喜んでもらおうと、貴志川高校と貴志川中学校の美術部員は3日、和歌山電鐵貴志川線西山口駅(紀の川市貴志川町)のホームにウォールアートを設置した。
人口減少や高齢化が進むまちを盛り上げようと2022年から実施。「貴志川線や地域の未来がつながる」をテーマに各校が縦1・8㍍、横2・7㍍の大型作品を制作し、ホームの屋根を支える柱や梁(はり)を利用して掲示。
貴志川高美術部員は8人。3年生の部員が中心となり、昨秋に制作を開始。「歩む」をサブテーマに、電車に乗り込む人の足元と、夕景の中を走る電車、それを見守る同電鐵のたま名誉永久駅長を描いた。
部長の檜皮(ひわだ)乃愛(のあ)さん(18)は「人も電車も前に進むものと考え、電車と地域の人が一緒に歩めるよう足元を描いた」と話し、「見る人がほっこりしたあったかい気持ちになってほしいと暖色系を使った。間もなく卒業するが、貴志川線がいつまでもずっと存続するよう願いを込めている」と笑顔。
貴志川中美術部員30人は、子どもが電車のおもちゃで遊び、それをたま名誉永久駅長が楽しそうに見ている様子を表現。
次の世代を担う子どもが貴志川線を大切に思い、未来につないでほしいという思いを込めたという。
副部長の小西穂乃伽さん(15)と、北山絵芽莉(えめり)さん(15)は4月から高校生。「電車で駅を通るたびにみんなに自慢できる」とにっこり。小西さんは「中学生やのにやるな」、北山さんは「面白い構図やな」と思ってもらえるとうれしい」と話す。
隣には22年度から制作された4作品も継続して掲示されている。