救助の知識学ぶ 西和中で自衛隊が教室

大地震などの災害に備え、避難に役立つ技術を身に付けてもらおうと、和歌山市砂山南の西和中学校は11日、自衛隊の協力の下、防災教室を開き、1年生と2年生の約220人が参加した。心肺蘇生法や止血法などの実践を交え、生徒らは知識を持つことの大切さを学んだ。
学校から依頼を受け、自衛隊和歌山地方協力本部が和歌山市と岩出市内の中学校と高校で実施しており、2024年度は15校で行われ、同校は14校目。
最初に、14年前の同日に発生した東日本大震災の犠牲者に、参加者全員が黙とうをささげた。同本部和歌山募集案内所の別府晴樹所長が「災害は人ごとではない。しっかりと備え、自助・共助できるように一緒に学びましょう」とあいさつした。
体育館では「心肺蘇生法」「止血法・応急担架作成」「手旗信号」「ロープワーク」の実践講習があった。
心肺蘇生法では、胸骨圧迫やAED(自動体外式除細動器)の使い方など、隊員が訓練人形を使って説明。続いて生徒らは一人ずつ、隊員のかけ声に合わせ、胸骨圧迫を体験。多くの生徒が硬い胸骨部を、テンポよく圧迫するのに苦労していた。
指導した隊員は「トラブルが起こっても知識があれば慌てずできる。一人でも多くの支援者を呼ぶなど中学生でもできることがあるので、勇気を出してほしい」と激励した。
1年1組の山本梨央さん(13)は「(胸骨部が)思ったより硬くて驚いた。実際にやったことがないので良い経験になった」、4組の前田涼太さん(13)は「隊員の人たちが(確認の)声かけをしていたのが印象に残った。教えてもらったことを役立てたい」と話した。講習では、隊員らによる「おぼれた人を救助する」デモンストレーションがあり、自衛隊の災害派遣や災害時の心構えなどの講話もあった。
