一大リゾート「ワイキキ」の対策

パラソルが並ぶ「ワイキキビーチ」
パラソルが並ぶ「ワイキキビーチ」

前号では、美しい白砂のビーチを形成する「白良浜」と「ワイキキビーチ」の歴史を取り上げた。一大リゾート地であるワイキキビーチでは、その景観や治安を維持するためにさまざまなルールがある。今週はハワイ州における条例について紹介したい。

まずは、公共の場所での飲酒の禁止。美しい砂浜と海を前に思わずビールやカクテルを飲みたくなるものだが、ビーチでアルコールを飲むことは罰金の対象。ビーチに隣接するリゾートホテルにはレストランやバーが設置されておりそこでの飲酒は問題ない。他にもルールがあり、アルコール飲料を缶や瓶のまま手にして街を歩くことは禁止されるなど、飲酒については厳しいものがある。

たばこについても同様でワイキキビーチは全面禁煙となっている。一部のビーチでは通り抜け以外のビーチの利用を禁止している所も。

近年、海に生息するサンゴ礁に海水浴客が使用する日焼け止めの成分が深刻な影響を与えていることが分かり、有害成分を含む日焼け止めの販売を禁止。日本からの持ち込みは可能だが、環境保護に配慮したものを使用したい。

アメリカと比べ、マナーや治安が良いとされる日本。白良浜の場合はどうか。白浜町では2008年から白良浜を「禁煙ビーチ・ごみポイ捨て禁止ビーチ」としている。違反しても罰金は無い。訪れる観光客の意識に委ねられている。

来月には大阪・関西万博が開幕。和歌山県も世界から注目され、観光客の流入も進むだろう。条例を設け、マナー違反を抑制するのではなく、観光客が訪れる地域のことを理解し、自律した行動を取ってもらえることがベスト。ますます地域の特性を分かりやすく発信する必要がありそうだ。(次田尚弘/ホノルル)