米菓子の新商品販売 ソーシャルファームもぎたて

柔らかくサクサクの食感に濃厚なミルクとバターの香り。和歌山県紀の川市平野のソーシャルファームもぎたてが、これまでにないぜいたくなお菓子を目指し「お米かりんとう」シリーズの新商品、キャラメル味を開発し販売を始めた。中原力哉代表は「コク深い風味とクリーミーな口どけが実現し、ぜいたくの極みともいえる味わい」と自信満々に話している。
同ファームは障害のある人と雇用(労働)契約を結び、働く場を保障する就労継続支援A型事業所として2014年、社会福祉法人一麦会(和歌山市岩橋)が立ち上げた。
「紀州のめぐみでコトづくり、人つなぎ」を合言葉に、障害のある人の雇用を創出し持続可能な農業・農産加工・飲食店運営などに取り組んでいる。
同事業所の利用者の約6割は一般企業での就労経験があるが、さまざまな理由で続けることが難しかった人たちだという。
「安心して働ける場を提供することが、私たちの使命」と中原代表は言う。
これまで県内で生産されたうるち米を使い、自然なおいしさとヘルシーさにこだわったノンフライ製法の「お米かりんとう」を製造。国産原材料を厳選し、シンプルに仕上げた黒糖、ミルク、抹茶の3種類を販売してきた。
現在、国の施策や制度変更により、A型事業所を取り巻く環境は厳しく「持続可能な経営を目指すためには挑戦しなければならない」とターゲット層を若い世代にも広げ、ブランド力と知名度を上げようと新商品開発に取り組んだ。
キャラメル味は、乳脂肪分42%の北海道産純生クリームと粗糖、国産バターをぜいたくに使用。パティシエから技術指導を受け、試作を重ね半年かけて納得のいく味を作り上げた。
キャラメルづくりは、一瞬たりとも鍋から目を離せないほど繊細で、炊き上がるまでの間、焦げ付かないように手作業で攪拌(かくはん)を続け、仕上がりを見極めなければならないという。
中原代表は「こうした難しく繊細な作業を通じて働く人が職人として成長し、仕事に誇りや自信、やりがいを持てるようになっている」と話し「この商品をたくさんの人に知ってもらうことで、みんなが安心して働ける場を守る力になる。応援よろしくお願いします」と呼びかけている。
1箱50㌘入りで880円。新商品やサービスの応援購入サイト「Makuake(マクアケ)」で30日まで先行販売。5月下旬から一般販売する予定。
