参院予算委が最終局面 駆け引きの中、委員長の重責

3月5日から始まった私が委員長を拝命している参議院予算委委員会ですが、早いもので最終局面が近づいてきました。

基本的質疑や、集中審議の際はNHK総合テレビでも中継されますので、目にされた方も多いかと思います。

今国会はご存知の通り、異例の出来事がありました。参議院予算委員会が開かれている中で、高額療養費の見直しがなされたため、衆議院予算委員会で再び審議をすることとなりました。

これは、再考の参議院、熟議の参議院の存在感をまさに示すものであり、本来は認めるべきものではありません。しかし、衆議院から送付されて4日という短い期間であること、かなり詳細な議論が衆議院でなされていたものを参議院送付後にいきなりひっくり返されたことなど、特別な事例であることを勘案して、「先例としない」ことを条件に、また、年度内の予算成立に野党としても協力することを確認した上で、「今回に限り」是としました。

さらに終盤に差し掛かって噴出したのが、石破総理の10万円商品券問題で、枕詞のように質問が出ています。しかし今のところ内容には迫力が乏しく、また新事実の披瀝もありません。やはり今回の10万円が石破さんに対する庶民的イメージとかけ離れているということへの違和感なのでしょう。

問題なのは、反発した野党がこのことを人質に審議日程に応じない態度を見せることです。防災や外交防衛、コメ問題、物価問題など、喫緊の課題は本当に多岐にわたります。商品券問題が「庶民」感覚からかけ離れていることは確かですが、だったら政治家、政治のありようや、選挙がどのように営まれ、どうすれば公平かつ低コストで運営されるのか長い議論が必要な気が致します。

いずれにしても、もっともっと審議を深めたい。そんな思いでありますが、公党間の駆け引きに翻弄される委員会であることをご理解ください。

質疑の中で気になったことがあれば、委員会後に私から関係省庁に指摘することもあります。例えば、埼玉の道路陥没事故に関して、インフラの老朽化予算についてちゃんとした方針を立てないと、いつまでもこんなことをしているわけにはいかないということ。この点、国交省の説明はしどろもどろでした。

お米のトレーサビリティについて、農水省の説明は不十分でした。備蓄米などが流通して問題が起きたら、どこからきたコメかはすぐにわかるようになっています。しかし、委員会では観ている人が理解できなかったのではないか、と農水省に指摘しておきました。

それにしても、朝9時から夕方5時まで休憩時間を除いて委員長席を離れることもできず、座っているとはいえ、一日中人の話を聞き続け、進行を務めるというのは、重い花粉症もあり、なかなかハードなものです。長い間、座り続けているためか、腰痛が悪化して歩くのにも困るようになってしまいました。私の腰より悲痛な思いをしているかもしれない国民のためにも、引き続き頑張ってまいります。

テレビ中継のない一般質疑も含めて「参議院インターネット審議中継」にアクセスすれば、パソコンやスマートフォンでも手軽に、審議中はライブ中継で、終了後はアーカイブでご覧いただけます。

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