平和を紡ぐ熊野古道 大阪・関西万博で発信

平安衣装をまとって紹介する小野田運営委員代表
平安衣装をまとって紹介する小野田運営委員代表

開催中の大阪・関西万博で、世界遺産「熊野古道」の価値や魅力を発信しようと、市民団体「『熊野古道』を世界遺産に登録するプロジェクト準備会」(小野田真弓運営委員代表)がブース出展し、トークショーを行った。(写真は同団体提供)

同会は、熊野古道の世界遺産登録を目指して1997年に発足。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界文化遺産となって以降も、未登録地域の追加登録などを目的に活動を続けている。

「熊野古道 万博へ行く」と題し、関西パビリオン和歌山ゾーンに出展。同会の小野田運営委員代表、高垣晴夫さんらの他、熊野古道の風景も描かれた「紀伊国名所図会(ずえ)」を彩色する取り組みに関わった和歌山市の芝田浩子さん、元市立博物館館長の額田雅裕さん、熊野古道を約40年間にわたって撮り続ける海南市の写真家・大上敬史さん、有田川町観光大使などを務める歌手の山口智世(さとよ)さん、通訳者を含め10人が参加した。

会場では、紀伊国名所図会と写真の比較展示を交えながら、平安衣装などをまとったメンバーらがトーク。熊野三山へと続く参詣道・熊野古道は大阪にもあり、古来から数え切れないほど多くの人が踏みしめ、同じ道を今も歩くことができること、「文化的景観」として高い価値があることなどを紹介。「熊野古道は、平和を創造するための貴重な教材。より多くの人に歩いてほしい」「追加登録により、平和はつながっていく」などと伝えた。

また、県産ミカンの廃材で作ったクレヨン「みかんくれよん」を使い、紀伊国名所図のぬり絵を楽しむ体験コーナーも設置。子どもだけでなく大人にも人気で、急きょ追加印刷し、用意した800枚がすぐに無くなるほど盛況だった。

同会は、9月に和歌山市西高松の県立図書館で活動報告を兼ねた展示会を予定している。