紀ノ川駅にエレベーター 10年の要望経て7月着工へ

10年間の思いを話す西川さん㊥
10年間の思いを話す西川さん㊥

和歌山市市小路の南海電気鉄道㈱紀ノ川駅に、地域住民が以前から切望してきたエレベーターの設置が決まり、駅改札前で29日、報告会が開かれ、地域住民らが喜びを分かち合った。

報告会は紀ノ川駅をよくする会(池尾正代表)が主催。同会は2015年に発足し、初めは5人でアンケートや署名を駅前で集め、駅利用者数の調査など地道な活動を続け、同社と県、市に要望してきた。2019年に2624人分の署名を同本社に提出し、22年には尾花正啓市長との直接対談を経て、23年に市が「紀ノ川駅周辺バリアフリー基本構想に係る協議会」を設置した。

同駅は一日およそ2500人の利用がある。工事により、駅構内2カ所にエレベーターを設置する他、改札口を車椅子が通れるように拡幅し、改札からプラットホームまでのスロープを緩やかにする。階段の片側にある手すりを高低2段にして両側に設置し、階段の縁の色を分かりやすくする。7月ごろに着工し、来年3月の竣工を目指す。

報告会には同会会員や地域住民、同社や市の職員、市議、県議ら約50人が参加した。同協議会会長で和歌山大学経済学部の辻本勝久教授が「皆さんの日々の活動の成果です。駅がさらに便利になり、周辺地区もバリアフリー化が進んで、地域が良くなることに期待してほしい」とあいさつ。同会発足メンバーの西川幸子さんは「諦めないでやり続けて、きょうを迎えられて感無量です。皆さん、ご協力ありがとうございました。完成したら、安心していっぱい何回も乗りましょう」と呼びかけた。