「和歌浦のエーゲ海」に ドッグパークオープン

完成したドッグランで笑顔の鈴木さん
完成したドッグランで笑顔の鈴木さん

「自分が住む和歌浦をもっとすてきにしたい」と、和歌山市の鈴木美子さん(62)は昨年夏、同市新和歌浦に所有する土地とアパートをエーゲ海に浮かぶサントリーニ島をイメージした青と白に塗り、ロマンチックな街並みをつくり上げた。その高台に新しくドッグランを整備。5月にオープンするとその絶景がSNSで話題となり、週末は愛犬家たちでにぎわっている。

和歌浦漁港を見下ろす高台にある家で暮らす鈴木さんは、3年前に夫が亡くなり、1人で土地やアパートの管理を担っていた。昨年、数年間空き家となっていたアパートを改修。4月に入居者募集の看板を出したところ、それを見た大阪府堺市に在住の大家里美さん(55)が借りたいと申し出た。大家さんは「路地を上っていくとまるでギリシャのような風景が広がるワクワク感。こういう所で店を開きたいと思った」という。

大家さんが鈴木さんにサントリーニ島の写真を見せ「白と青で色を塗ったら、もっとすてきになる」と提案。ジュディ・オングの曲「魅せられて」を聞き、エーゲ海に憧れを持っていた鈴木さんは「大賛成!」と早速、白と青のペンキを買い、所有するアパートと土地の周辺を1人で塗り始めた。空き地には花を植え、ガーデンも作った。アパートの内装は地域住民らの協力でエーゲ海風にリノベーション。8月にカフェ「ライオンリゾート」がオープンすると、フォトスポットとして観光客らが集まる人気スポットになった。

訪れる人を見ると、犬を連れている人が多いことに気付いた鈴木さんは「草刈りに追われている高台の空き地をドッグランにしよう」と決めた。

昨年の冬から作業を始め、地域住民らが協力。草を刈って整地し、周りはペンキで白と青に塗り、横には海の見えるカウンター席を作った。ここでは潮風を浴びながらカフェで購入したドリンクを飲み、犬と遊ぶことができる。

鈴木さんは「手間と時間はかかったけど、皆さんの協力で手作りのすてきな場所が誕生した」とにっこり。

滋賀県からインスタグラムを見て来たという19歳の男性2人は「最高の景色で感動している」と絶景を写真に収めていた。

同店では「ワンちゃんお散歩マップ」を作成し、犬と一緒に楽しめる和歌浦のお薦めコースなどを紹介している。

同店とドッグランは週末と祝日に不定期でオープン。情報はインスタグラム(@lionresort_wakanoura)で確認できる。