笑顔あふれる和歌山に 宮﨑知事が所信表明

「健全な財政運営に努め、危機感を持って対応したい」と宮﨑知事
「健全な財政運営に努め、危機感を持って対応したい」と宮﨑知事

宮﨑泉新和歌山県知事は10日、就任後初の議会定例会に臨み、1期目の所信を表明した。現場の声を聞き、現場にしっかり目を向ける現場主義の姿勢を大切にしながら、人口減少へ全庁を挙げて取り組む姿勢を示し、「急逝した岸本周平前知事の熱い思いを引き継ぎ、笑顔あふれる和歌山を実現したい」と意欲をみせた。

政策には四つの柱を掲げ、第1の「未来を創るこどもを育み、学びをささえる」では周産期医療体制の確保や学校給食費の無償化、仕事と子育ての両立支援、こども食堂の設置拡大など、和歌山の子どもが地域で健やかに成長できる「こどもまんなか和歌山」の実現を目指す。第2の「いきいきと働くことができるしごとをつくる」では農林水産物のブランド化と新たな担い手の確保、県内企業の競争力強化と収益性アップ、地域防災力維持のために建設業への支援、宇宙関連産業や洋上風力発電などの成長産業の創出に力を入れる。第3の「いのちと暮らしをまもる」では南海トラフ地震や風水害の防災・減災対策を推進し、災害時に住民が助け合いながら適切に避難行動がとれるよう地域のつながりを強める取り組みや、能登半島地震を踏まえた受援体制の強化などを展開。第4の「住みよい和歌山、住みたくなる和歌山をめざす」では紀伊半島1周高速道路の整備、熊野白浜リゾート空港の利用促進と滑走路延伸、地域資源を生かした関係人口創出や移住促進に取り組む。

一方で岸本県政時代に財政危機警報が発出されていることにも言及し、「さまざまな課題に将来を見据えて対策を実施することが重要だが、将来世代に対して責任を持った財政運営を行うことも大切。これらのバランスを常に意識し、健全な財政運営に努め、危機感を持って対応していきたい」とした。