参院選は終盤戦へ 7候補の主な政策比較

有権者と握手を交わす候補者
有権者と握手を交わす候補者

参院選は期間中最後の日曜が過ぎ、終盤戦に入っている。和歌山選挙区(改選数1)に立候補している共産党の前久候補(69)、自民党の二階伸康候補(47)、無所属の望月良男候補(53)、日本維新の会の浦平美博候補(53)、無所属の末吉亜矢候補(54)、NHK党の本間奈々候補(56)、参政党の林元政子候補(51)の新人7人が訴えている政策を、主な分野で比較、紹介する。

経済・財政

物価高騰対策を含む経済・財政政策では、消費税の減税や廃止を主張している候補が多い。

前候補は、将来の廃止を目指し消費税を直ちに5%に引き下げ、減税分の財源は富裕層や大企業への課税で生み出し、中小企業を直接支援するとしている。

浦平候補は、食料品の消費税を2年間ゼロにするとし、社会保険料を下げるため、医療介護産業の効率化や負担水準の見直しを訴える。

末吉候補は、物価高で循環できていない経済の活性化、雇用の創出が必要と主張。消費税減税にも肯定的だが、将来世代への負担のしわ寄せに危惧を示す。

本間候補は、消費税の段階的廃止とインボイス制度廃止、社会保険料を含めた国民負担率の軽減が必要としている。

林元候補は、消費税引き上げと法人税引き下げにより中小企業から大企業への富の移転が起こってきたとし、消費税の廃止や国民負担率の上限を35%にすることを訴えている。

一方、二階候補は与党が掲げる2万円の給付金を推進する立場。減税には法改正が必要で、時間を擁するため、即効性がないとする。

望月候補は、給付金、減税ともに反対はしないが、いずれも一時的な対策との見解。第一次産業の所得向上、新産業へ投資呼び込みなどが重要とする。

子育て・教育

子育て支援や教育を巡る政策は、経済的理由で子どもを持つことをためらうことがないよう、経済政策と一体的に捉える点で共通する候補が複数いる。

林元候補は、15歳までの子どもに1人月額10万円の給付を掲げる。自身の経験も踏まえ、仕事との両立より、子どもと共に過ごすことを望む親も少なくないことを訴える。

浦平候補は、教育費の無償化、働きながら子育てする家庭への支援の充実を主張。そのために、社会保険料の負担を引き下げ、経済を立て直すことが急務だとしている。

前候補は、結婚や子どもを持つかどうかに国家が介入すべきではないとの原則の上で、安心して子育てできるための賃上げ、学費・奨学金返済を半額にすることなどを掲げる。

望月候補は独自色が強く、有田市長時代に実施した産婦人科の民間クリニック誘致による分娩環境の整備や、AIなど次世代型産業での働き方に対応した教育の再編成を訴える。

末吉候補は、保育の充実を重視しており、保育士がスキルアップできるための環境整備、不妊治療の推進や啓発などを訴えている。

二階候補は、小中学校の適正配置や病児保育・学童保育の充実、周産期医療の強化などを主張。本間候補は、若者の所得向上や雇用環境の改善を重視するが、子育て政策への言及は少ない。

外国人政策

外国人に関する政策は、これまでの国政選挙に比べて各党が大きなテーマとしているが、候補者別では、主要政策とする候補もいる一方、演説などで取り上げない候補もおり、温度差が大きい。

本間候補は、外国人による土地の購入を問題視し、外国人労働者の受け入れ拡大も実質的な移民政策として批判。適切な入国の管理、帰化の厳正化が必要と主張している。

林元候補は、党が掲げる「日本人ファースト」に沿い、行き過ぎた外国人の受け入れに反対。少子化対策や就労支援などにより、日本人が働いて日本を支えるべきとしている。

末吉候補は、外国人労働者の受け入れには積極的だが、不動産業経営の経験から、外国人の土地取得には適正な法整備が必要と訴える。

前候補は、党として外国人への差別や人権侵害に反対し、共生社会を推進する立場。二階候補は、外国人労働者の受け入れには肯定的な姿勢を示している。

望月候補、浦平候補は、外国人政策への積極的な言及はみられない。