客装い飲食店に高級ワイン要求 県内でも確認
飲食店をターゲットに、予約客を装って高級ワインを仕入れさせ、金をだまし取ろうとする不審電話が和歌山県内で確認されている。
その手口は、店に複数人での利用予約をし、超高級ワインなどを用意するよう要求。在庫がないと伝えると「酒販店を紹介するからそこから仕入れてほしい」と勧められ、代金を振り込むが、ワインは届かず、予約時間になっても客は現れないというもの。このような「ドタキャン詐欺」が全国各地で発生している。
和歌山市の老舗フレンチレストランにも同様の電話があり、オーナーによると、1万5000円のコースを4人で予約したいと連絡が入り「接待に必要なので高級なシャンパンを用意してほしい」と要求された。「フランス料理店から注文すると安くなる」と予約希望者から大阪の酒店を紹介され、店に電話をすると「1本39万円が31万になる」と言われた。予約希望者にワインの本数を確認すると3本必要だと言われ、オーナーは「90万以上の支払いはできない。どうしても必要なら自分たちで用意してほしい。接待をすると言うなら、相手先の社名を教えてください」と、会社名と本人、上司の名前を聞き、その会社に電話。在籍していないことが判明し、予約者に連絡すると電話を切られ、その後、音信不通になったという。
これらを受け、県調理師会では注意喚起。「そちらのレストランではワインの持ち込みは可能ですか?」、「酒屋で卸値でワインを仕入れてもらえるか?」と、一見、普通の問い合わせのように思える内容だが、その後に不当な要求をされたり、悪質な口コミを書き込まれるといった被害が予想されるため、対策を呼びかけている。対策として、不審な電話や過剰なクレームには無理に応対せず、名前・連絡先を書き留めた上で対応を検討すること。また持ち込みの有無・ルールなどをあらかじめ店頭やウェブ上に明記しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができる。他の店舗とも情報共有をし、被害を防ぐよう注意喚起している。