手と頭、一緒に動かそう 島ものづくり塾が開講

ビー玉大の地球に対して、月・太陽の大きさや距離は?
ビー玉大の地球に対して、月・太陽の大きさや距離は?

実験などを通じ、小学生に科学の楽しさを伝える本年度の「島ものづくり塾」の4~6年生を対象にしたクラスが17日、和歌山市本町のフォルテワジマで開講した。486人の応募があり、抽選で選ばれた約30人が約半年間にわたる学びをスタートさせた。

未来の科学技術の進歩を担う人材育成を目的に、公益財団法人「島財団」が2019年に開設。低学年クラスは1058人の応募者から30人が選ばれ、今月初旬に開講した。両クラスとも来年2月まで、計6回にわたり、力、音、電気、ロボットなどさまざまなテーマで学びを深める。

入塾式では、財団の設立者で、㈱島精機製作所(和歌山市坂田)の名誉会長でもある島正博さんが「AIの時代といわれますが、どのような時代でも創造力が一番大切。『こうしたらいいかな』と、手と頭を使い、やる気を強く持ってものづくりをすれば、日本はさらに発展していく。皆さん自身が、将来を支える一員だと思って頑張って取り組んでください」と呼びかけた。

大江嘉幸理事長が、塾生それぞれに入塾証を手渡し、早速「天体と暦の科学」をテーマにした第1回の講義がスタート。元高校教諭の柳実さんが講師を担当した。

塾生は、地球の自転や公転について教わった後、地球の大きさをビー玉(1・7㌢)に見立てた場合の月や太陽の大きさ、距離について考えた。大小さまざまな大きさのボールが用意され、グループごとに相談しながら、机の上に小さな模型をつくった。

その他、二つの立方体を組み合わせてカレンダーを作ったり、振り子がふれるのにかかる時間を計ったりした。

理科や算数が好きで、将来はパソコン関係の仕事に興味があるという木本小学校6年生の実宝奏太さんは「太陰暦とか太陽暦とか、初めて知ることがいっぱいあった。月の形で日付が分かった昔の人はすごい。天体の距離は、予想したのと全然違った」と笑顔だった。

半年間の学びをスタートさせた塾生たち
半年間の学びをスタートさせた塾生たち