「石破おろし」、署名に同意せず 新たな連立政権で課題解決を
参院選で自民党は厳しいご批判を受けました。これを受け、自民党県連では今後の課題として、①県連として県民から見え評価していただける日常活動の活発化、②国会議員事務所および秘書の活動の活発化、③地方議員と県連の連携の緊密化、④知事・市町村長との連携強化、⑤若者・女性対策の強化、⑥SNS対策の強化、⑦自民党本来の思想・理念の再構築、⑧保守分裂への対応、⑨自公関係の再構築、などに取り組むことを決めました。
また、9月2日には党本部で「国民政党としての再生に向けて」と題した総括報告書がまとめられました。「党を一から作り直す覚悟で解党的出直しに取り組み、再び国民に信頼され負託にこたえられる真の国民政党に生まれ変わることをここに誓う」としています。
さて、総裁選前倒しの要求が注目を集めましたが、7日に石破総裁が辞意を表明されたことで急転直下、署名付きの要求なく総裁選が実施されることになりました。
ここでは以下、総裁選についての私の考え方を述べます。
まず選挙で連敗した執行部は責任をとるべきだと思います。でなければ、何があっても誰も責任を取らない悪しき前例になりかねません。ただ、責任の取り方はいろいろ考えられ、執行部全体で判断すべきです。これまで国政選挙に敗れた総裁が辞任しなかった例は3例あり、そのときは幹事長の交代や執行部の刷新がなされました。
ただ、責任論は党内の問題であり、同時進行でいま自民党が取り組むべきは、比較第一党の責任として政治を前に進める枠組みの構築であり、そのための各党との協議です。臨時国会まで時間はありません。先の国会のように政策ごとに協議を行うのか、連立政権を樹立するのか、あるいは閣外協力なのか、早急に政権運営の方策を国民に提示する必要があると思います。私見を申し上げれば、先の国会での「熟議」とは程遠い「手柄争い」に終始した状況よりも、新たな連立政権によって課題解決を図っていくべきと考えています。
一方、早々と「石破おろし」を声高に主張したのが「政治とカネ」問題の渦中の人たちだったことは、権力闘争のにおいがしていささか違和感を覚えました。「政治とカネ」問題は決してけりの付いたものではなく、一刻も早く国民の納得を得る対応をしなければ、いつまでも尾を引き、今後も厳しく指摘されることになります。
このような中で、私がしかるべき方々に申し上げたのは、いま必要なことは、多党制がもたらす「混迷の時代の始まり」と指摘される難局に、挙党一致して当たることであり、総裁選要求にあたって署名を求めれば、まさしく分断を助長することになり決して好ましくなく、この事態を回避するには、期限までに石破総裁が主体的に決断して「総裁選挙を実施しましょう。ただ私もやるべきことがあるので立候補させていただく」と宣言するべきとの旨です。これによって署名は不必要となり、分断は回避されます。そして総裁選が実施され、選ばれた総裁には求心力が生まれ、一致協力して全員で支えていくことになります。
ちなみに、以上の経緯であれば総裁選の実施はやむを得ないと思っていましたが、この時期の権力闘争を意図したように見える「石破おろし」や自民党の分断を招きかねない署名には同意できず、私は要求しないつもりでした。