桐蔭高が最優秀校に 全日本高校・大学生書道展

学生書道のグランプリ「第30回全日本高校・大学生書道展」(公益社団法人書芸院など主催)で、出品数9005点の中から和歌山県内の高校生4人が大賞に選ばれ、うち3人(いずれもかな部門)が在籍する桐蔭高校が団体賞で最優秀校に輝いた。
大賞に選ばれた同校3年生で書道部前部長の岩本理瑚さん(17)は、平安時代末期の歌僧、西行法師の『山家集』から一部分を選び作品にした。
仕上げるのに3時間ほどかかる作品を納得できるまで書き、遅くまで学校に残ることもあったという。「大賞に選ばれてものすごくうれしい。先輩たちもたくさん賞を取っている中で、一番取りたい賞を取れたので有終の美を飾れて良かったです」と笑顔。第29回全日本高等学校書道コンクール(全日本書道教育振興協会)でも硬筆賞に選ばれた。
同じく3年生の今西那菜さん(18)は、『万葉集』から和歌山を詠んだ歌など7首選び、作品に仕上げた。「書道展に出してから結果発表までの1カ月、どきどきしていた。大賞と知った時はうれしくてほっとした。卒業しても書道を続けたい」と話した。
3人のうち唯一、1年生で大賞に選ばれた糸川美桜さん(15)は「こんな大きい賞を取ったのは初めて。書道を続けてきて良かったです。2年、3年になっても大賞を目指して頑張りたい」と思いを新たにしていた。
同校書道部で技術指導をする非常勤講師の高橋佳子さん(56)は「昨年度は団体賞3位だったので、トップを取れた喜びは大きい。本当に頑張っていたのでほっとした気持ちです。苦労もあった中で、一生懸命取り組んだことが報われて良かった。先輩が受賞すれば、後輩も『後に続け』という目標ができて、良い流れです」と話していた。
この他、県内では和歌山北高校2年生の黒松千空さんが大賞に選ばれ、同校は団体で5位に入った。