創部3年目で全国制覇 小学生バレーフェニックス

8月に行われたJVA第45回全日本バレーボール小学生大会で、男子和歌山県代表として出場した和歌山市の「和歌山フェニックス」が創部3年目2度目の出場にして全国制覇を成し遂げた。県内チームとして初の優勝。同チームの西田聡監督は「ハイレベルな歴史のある大会で強豪を倒して優勝できたのはすごい。漫画で見るような優勝だった」と快進撃を振り返った。
大会には51チームが出場した。同チームは同市広瀬地区を拠点に活動し、約30人が所属。山下來空主将(6年)によると、選手たちは「学校もそれ以外もずっと一緒にいて、ずっとバレーをしている」。全国制覇は「一人ひとりの絶対に負けないという気持ち、何よりもチームワークが良かったからできた」と話す。
準決勝までで落としたのは1セットのみ。「そこだけ見ると圧倒したように見えるが、接戦続きだった。自分たちでいい雰囲気をつくり、諦めずしぶとくやった結果。仲がいい」と西田監督。今大会でもチームワークの良さが光った。決勝は追う展開だったが、みんなで声を出し合って勢いをつけた。選手たちは弓戸翠選手(同)のサーブが流れを変えたと振り返る。また、大会2カ月前にセッターがけがをして出られなくなり、未経験ながら山下主将がセッターを務めた。山下主将は「難しかったけれど楽しんだ」と言い、西田監督は「奇跡に近いプレーだった」とたたえた。
2セット目は「完全に自分たちのペースだった」という。練習を重ねてきたレシーブで小川珀選手(同)らが相手エースを封じ、小林柊弥選手(同)が得意とするBクイックを決め、前島晃多選手も「絶対に決めてやる」と果敢にアタックした。
チームを引っ張ったのはエース・北原紳之介選手(同)。山下主将は「とにかく北原に託した」という。マッチポイントでは、弓戸選手がレシーブ、山下主将が北原選手に託し、北原選手が「託されたボールは必ず決めないといけない」と豪快にスパイクを決めた。「うれしさや感動、いろいろな感情がみんなあって泣いている選手も多かった」という。
昨年は決勝トーナメントに進むことができなかった。山下主将は「去年の悔しさが大きかった。仲のいいこのメンバーで日本一になりたいとずっと思っていたので、すごいうれしい」と笑顔だった。
選手たちはこのほど和歌山市役所に尾花正啓市長を訪ね、優勝を報告。尾花市長は創部3年目の優勝などを踏まえ、「伝説になるんじゃないか」とたたえた。