小児がん患者を支援 和工文化祭でレモネード販売

レモネードの売り上げで小児がんの治療研究を支援しようと、和歌山市西浜の県立和歌山工業高校図書部の21人は16日、同校文化祭「和工祭」で「レモネードスタンド」を開いた。果実感たっぷりの味に多くの生徒や保護者でにぎわい、100杯が完売し、2万3780円を寄付した。
2023年から始めて今回3回目となる取り組み。部員らは7月下旬から準備を始め、ことしの和工祭のテーマ「SDGs」に合わせ、一人の部員の祖母が営む海南市下津町のミカン農園から、規格外のミカンを入手。果汁に砂糖、寄付先のレモネードスタンドジャパンから送られるマヌカハニーなどを加えてジャムを作り、市販のレモネードベースと合わせて「和歌山風レモネード」を完成させた。ミカンの果実感や酸味と甘さのバランスにこだわった。
同スタンドのリーダーで産業デザイン科3年、図書部副部長の藤田真尋さん(17)は「『おいしかった』と喜んでもらって支援にもなる。仕事や行事とも違う達成感があった」、創造技術科3年、部長の上野山映輝さん(18)は「小児がんの治療研究が進んでいないことを知ることができた。多くの人にも知ってもらうきっかけになれば」と話した。
同市木ノ本から来場した保護者のカストロ又吉利菜さん(40)は「いい取り組みで頑張っている生徒のことも応援したいと思い購入した。丁度良い甘さでレモンの香りがふわっとしておいしいです」と笑顔だった。
この日、部員らは同スタンドの他、事前に在校生や教員から集めた本で古本市を実施した。収益は日本赤十字社県支部に寄付するという。