津波が来る、逃げろ 和歌山市で一斉防災訓練

校舎4階に避難する児童
校舎4階に避難する児童

「世界津波の日」の5日、和歌山市は市内の学校などで一斉に大地震の発生を想定した安全行動訓練を実施。加太地区では津波を想定し、幼稚園、小中学校の園児や児童・生徒ら121人が初めて合同で、建物の上階に逃げる垂直避難を行い、万が一に対する安全行動の手順を確認した。

市内で一斉に行われた訓練では、姿勢を低くして机の下などで頭を守り、揺れが収まるまでは動かないなどといった、地震発生時の適切な行動を確認してもらうことなどが目的。

午前10時に気象庁の緊急地震速報(訓練報)に連動して、市防災行政無線から緊急地震速報(訓練報)が流れ、校内放送で地震の発生を伝えた。

加太地区では、加太小学校の児童が一斉に机の下に入り、手で頭を守り、揺れが収まるまでじっと身をかがめ、その後、揺れが収まったと仮定し、ライフジャケットを着用し防災頭巾をかぶって運動場に整列した。

隣接する中学校と幼稚園でも生徒と園児が運動場に避難。点呼を取った後、全員が隣接する中学校の校舎4階に移動した。
 
南海トラフ級の地震による津波は、同地区に約50分後、1~2㍍の高さで到達すると予想されている。加太中学校の鳥居純子校長は、災害の時に加太地区は津波被害や土砂災害、道が狭いことなどの危険があると話し、「訓練でできないと本番でできない。逃げる勇気を大切に、いつも周りに意識を持ち行動してほしい」と伝えた。

訓練を終え、6年生の男子児童(11)は「真っ先に逃げる勇気を大切にと言われたけれど、友達を置いて逃げられるかなと思った。自分の命も守りながら、周囲に大声で呼びかけてみんなで助かりたい」と話した。

訓練後には、運動場で住民に向けたドローンによる避難広報も併せて行われ、50㍍上空から「大津波警報が発表されています。直ちに高台に避難してください」と放送し周知を図った。

机の下で身をかがめる児童
机の下で身をかがめる児童