枝曾丸さん、堀本さんに  25年度大桑文化奨励賞

桂枝曾丸さん㊧と堀本裕樹さん(写真は同財団提供)
桂枝曾丸さん㊧と堀本裕樹さん(公益財団法人大桑教育文化振興財団提供)

文化・芸術分野で優れた活動に取り組む人に贈られる、公益財団法人大桑教育文化振興財団(大桑弘嗣理事長)の2025年度大桑文化奨励賞に、落語家の桂枝曾丸さん(57)と俳人の堀本裕樹さん(51)が決まった。表彰式は18日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で行われる。

枝曾丸さんは和歌山市出身、在住。高校卒業後、桂小文枝(のちの五代目文枝)に入門。小味、小茶久を名乗り、1998年に上方落語の名跡「桂枝曾丸」を襲名した。

同市の漫画家マエオカテツヤさんと「和歌山弁落語」を制作する他、年に一度の独演会「わかやま芸品館」を地元で継続。偉人や伝説、歴史を題材にした長編人情ばなしは、桂枝曾丸の真骨頂ともいえる。テレビ出演、ラジオパーソナリティーなどでも活躍。青少年育成事業や更生保護活動、人権啓発、防災啓発を積極的に行うなど、多彩な活動で注目されている。

堀本さんは和歌山市出身。國學院大学を卒業後、出版会社勤務を経て、角川春樹主宰の俳句結社「河」に入会。編集長を務めた。その後、俳句結社「蒼海」を立ち上げ、主宰。

2011年に第2回北斗賞、13年に第1句集『熊野曼陀羅』で第36回俳人協会新人賞、『富士百句で俳句入門』で第11回日本詩歌句随筆評論大賞など受賞多数。25年度中学校用教科書の俳句の単元を執筆。NHK俳句の選者を務める他、県内で行われる俳句に関する各種行事に選者として積極的に参加し、指導助言に努めている。

この他、無形民俗文化財保持団体への援助には、印南八幡秋祭実行委員会(印南町)と、名之内獅子舞保存会(みなべ町)の2団体を選んだ。助成金は老朽化している祭具の新調や修繕などに充てられる。

文化活動援助には天野こども育成会(天野こども会、かつらぎ町、繁野麻岐会長)、大谷獅子舞保存会(和歌山市大谷、朝間義光会長)を選定。

学校図書寄贈は、日高高校、九度山中学校、岩出中学校、上秋津中学校、三田小、粉河小、三輪崎小、鷺森幼稚園、じろうまるこども園、こひつじこども園の10校園に行う。

同財団は㈱オークワの創業者・大桑勇氏が1993年に設立。毎年、教育に関わる活動やスポーツ選手の競技力向上への援助を続けている。