むらづくりで農水大臣賞 小川地域棚田振興協議会

農山漁村における「むらづくり」の優良事例を表彰し、業績を広く紹介する2025年度豊かなむらづくり全国表彰事業で、和歌山県紀美野町の小川地域棚田振興協議会(北裕子会長)が農林水産大臣賞を受けた。
表彰は1979年度から農林水産祭の表彰事業の一部門として実施され、むらづくりの全国的な展開につなげるもの。
小川地区は2019年に国の指定棚田地域となった。その翌年、紀美野町まちづくり推進協議会のメンバーや棚田を再生したい人たちが集まり、同協議会を設立。「中田の棚田再生プロジェクト」を立ち上げ、小川地域の過疎化や高齢化により、長期間耕作放棄地だった中田の棚田の再生活動に取り組んできた。
活動を通じて地域内外の多くの関係者と密接に連携し、棚田の再生や地域の持続的発展、関係人口の増加に寄与したことが評価された。
これまで、耕作放棄地からの復田と水路の維持の他、和歌山大学や海南高校、小川小学校などの教育機関と連携。田植えや草刈り、稲刈りの農業体験や棚田を天然のビオトープとして活用した生物多様性を学ぶ授業を実施した。また、「梅中傘踊り」の伝統芸能保全や継承、収穫祭イベントなどを開催。ことしは田んぼ36枚、1・8㌶を復田している。
受賞を受けて、北会長(65)は「プロジェクトメンバーや協力隊、サポートボランティアの皆さん、全ての活動の励みになる。棚田の再生だけでなく、活動を通して地域のコミュニティーが活性化し地域貢献になれば。継続してやっていきたい」と話している。



