100年先も咲き誇って 玉津島神社に淡墨桜を植樹

和歌山市和歌浦中の玉津島神社に13日、国指定天然記念物で日本三大桜の一つとされる岐阜県本巣(もとす)市の「根尾谷淡墨桜」(ねおだにうすずみざくら)の苗木が贈られ、境内に植樹された。
寄贈したのは、岐阜県根尾谷の「淡墨桜を守り広げる会」(三本木隆事務局長)。根尾谷淡墨桜は樹齢1500年を誇るとされる巨木。咲き始めは淡いピンク色、満開時には白色、散り際には淡い墨色に変化することから「淡墨桜」と呼ばれている。
同神社には祭神である衣通姫(そとおりひめ)と同じ名前を持つ「ソトオリヒメ桜」があるが、木の寿命などを考慮し、象徴となるような新たな桜の木を探していたという。ことしの初めごろ、京都府で造園業を営む樋口造園㈱の髙山典久工事部部長の紹介で、長年にわたって淡墨桜の保全と全国への普及活動を行う同会との縁が生まれた。双方の思いが一致し、植樹が実現した。
植樹と神事には同会や玉津島保存会、樋口造園の髙山部長ら約20人が出席。遠北喜美代権禰宜が祝詞を奏上し、同会メンバーが苗木に土をかけ、添え木を設置。4㍍近い高さの淡墨桜が拝殿前に植えられた。
同神社の遠北光彦宮司は「貴重な桜を寄贈いただき感謝しています。100年、200年と、当神社の象徴となるように大切に育てていきたい」と話した。
髙山部長は「植栽は植えた後がスタート。由緒ある神社で満開になるのが楽しみ。お宮参りや七五三に来たお子さんはここで撮った写真が印象に残ると思う」、三本木事務局長は「素晴らしい神社に植樹させていただくことができ、大変光栄です。この淡墨桜が神社とともに末永く咲き続け、お見えになる方々に喜んでいただければうれしい」と話していた。

