県内初のGI登録「紀州金山寺味噌」

紀州金山寺味噌
紀州金山寺味噌

前号では、地形や気候に恵まれ、地理的表示保護制度(GI)に登録されている「あら川の桃」を取り上げた。今週は、県内で初めてGI登録された「紀州金山寺味噌」の特徴と魅力を紹介したい。

紀州金山寺味噌は「食べる味噌(醸造嘗め味噌)」で、麹の原料として大豆、裸麦(大麦)、米の3種類、具材としてウリ、ナス、ショウガ、シソの4種類全てを使用し、それらが国内産であることが条件。

金山寺味噌は、千葉や静岡でも生産されているが、麹の原料として大豆と小麦、具材はウリ、ナス、ショウガが使用されることが一般的で、この点が県内産との違い。地域の食材が豊富に使われ、具材の混ざり具合に応じて食感や食味が異なることが魅力。また、麹の旨味と野菜の味が溶け合うことで、まろやかな味に仕上がるという特性もある。

この製法は、中国(宋)の「徑山寺(きんざんじ)」で学んだ僧侶が日本に持ち帰り、由良町の「興国寺」で造り始めたことが起源とされるのが有力。その後、湯浅や御坊などの周辺地域に広がり、やがて県内全域で製造が盛んになり、和歌山市、湯浅町、御坊市などが主な生産地となる。1951年に生産者らにより協同組合が作られ、紀州金山寺味噌を名乗るための規定を設けた。

県の優良県産品推奨制度である「プレミア和歌山」に複数の生産者が選定され、和歌山ならではの製造物として評価。2017年、県内で初めてGI登録されるに至っている。

県内の家庭の食卓では、なじみ深い紀州金山寺味噌であるが、県外から見れば珍しい存在。生きた酵素や乳酸菌が豊富な「食べる味噌」は栄養価も高い。健康食として国内外から支持され、親しまれるものになってほしい。(次田尚弘/和歌山市)