服のチカラプロジェクト 和歌山盲学校が優秀賞

GUのスタッフからたたみ方を教わる生徒(和歌山盲学校提供)
GUのスタッフからたたみ方を教わる生徒(和歌山盲学校提供)

衣料品店のUNIQLOやGUを展開する㈱ファーストリテイリングがリサイクル活動の一環でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協働し、不要な子ども服を回収して難民の子どもたちに提供する学校連携型SDGsプログラム「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」で、和歌山市府中の県立和歌山盲学校が優秀賞に輝いた。全国769校から同校を含む6校が同賞に選出された。

同プロジェクトは2013年に開始。全国の小・中・高校・特別支援学校5817校から約61万人が参加し、回収した子ども服は約800万枚に達する。

参加のきっかけは同校の長井恵李教諭が、過去に同プロジェクトに参加した学校から、地域の人たちと取り組める良い活動があると聞いたこと。同校には年齢も障害の程度も異なる生徒たちが在籍するため、これまで全員で一つのことに取り組んだことがなかったが、これなら全員が少しずつでも関わることができるのではと考え、参加を決めた。昨年7月に小学部から理療部までの生徒が近隣のGU永穂店のスタッフにプロジェクトや難民についての出張授業を受けてから、子ども服の回収に取り組み始めた。

寄宿舎生が玄関前に置く回収ボックスを作ることからスタート。誰でも入れやすいよう投入口を低くするなど工夫したボックスに、小学部の児童が彩色。回収場所を知らせるためにボックス周辺で流す音楽も作った。また、中学部の生徒を中心に、自分たちでデザインしたのぼりも立てた。児童や生徒、教職員の他、文化祭には地域の人も回収に協力してくれたという。その結果、約3カ月で227枚の子ども服が集まった。

「盲学校としてできることを」との思いから、回収した服に、触れて色を判別できるタグ「色ポチ」を付けた。㈱フクイ(東京都)の製品で、色の位置に穴が開いている。また、着心地を重視し、回収した服を全て洗濯し、アイロンがけを行った。その後、GUのスタッフから習ったたたみ方で服をたたんで梱包し、配送した。その際、小学部の児童にトラックの形やタイヤの大きさを触れて知る体験も行い、ドライバーから荷物がどのように届くか教えてもらったという。

これらの取り組みが評価され、12日に国立科学博物館日本館講堂で行われる「“届けよう、服のチカラ”アワード」への登壇が決まった。同プロジェクトに中心となって取り組んだ高等部2年生の木下叶翔さんが同校を代表して出席し、プレゼンテーションする。木下さんは「視覚障害のある同じ境遇の子たちに届いてくれたらうれしいです。緊張するけど、ゆっくり落ち着いて学校の取り組みを発表したい」と意気込んでいる。

長井教諭は「年齢や教科の枠組みを超えて皆で一つのことをやり遂げた結果。回収した枚数は少ないかもしれませんが、小規模だからこそできることがあるのではないかと感じました。今回、学校全体で取り組んだことが世界につながり、誰かの役に立っているということを生徒たちに実感してもらえたら」と話していた。