人育て、質向上を 和歌山地家裁に酒井所長着任

着任会見で抱負を述べる酒井所長
着任会見で抱負を述べる酒井所長

和歌山地方裁判所・家庭裁判所の新所長(60)に酒井良介氏が就任し、2月27日に記者会見が行われた。酒井所長は「裁判所を利用しやすく、紛争解決機関としての質を高めたい」と抱負を述べた。着任は2日付。

酒井所長は愛知県出身。慶應義塾大学法学部を卒業し、1990年に司法試験に合格。93年、名古屋地裁判事補に任官。那覇地家裁部総括判事、大阪地裁部総括判事、東京高裁判事などを務めた。主に民事事件を中心に担当してきたという。

酒井所長は裁判所における課題として5月21日に施行される民事裁判手続きの全面デジタル化を挙げた。紙で管理してきた訴訟記録を電子化し、ウェブ会議などを活用することで当事者の移動による負担の軽減につながり、裁判所を利用しやすくするという狙いがある。緊急事態宣言の発令下でもこのようなオンライン手続きにより裁判の進行を止めることなく行えたという。和歌山県は南北に長く、地域によっては裁判所へのアクセスが困難で、地理的な条件からも大いに活用できると述べ、「裁判所として必ず取り組まなければならない」と話した。

紛争解決機関としての質の向上に関しては、これまで裁判所が積み上げてきたノウハウなどを生かしてデジタル化など時代に沿った、より質の高い裁判を行う必要があると述べた。

「デジタル化など、どんな制度の下でも、その制度を運用するのは人。所長として裁判官や職員の育成に力を注いでまいります」と意気込みを語った。