和工が「建築甲子園」優秀賞 人がつながる和室提案

全国の高校生が建築設計のアイデアを競う「建築甲子園」で、県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)建築科の3年生8人による作品がベスト13に入り、優秀賞に選ばれた。CAD図面を担当した網代彩さんは「テーマに沿って設計を考えるのが大変だった。仲間と支え合うことは大事だなと思ったし、みんなとより一層いい関係になれた」と受賞を喜んだ。
日本建築士会連合会と都道府県建築士会が主催し、今回で16回目。建築・インテリア教育課程のある工業高校や高等専門学校などを対象とし、毎年異なるテーマに生徒たちがチームで設計や模型作りを行い、建築物のアイデアを提案する。
今回のテーマは「地域のくらし―地域に根ざした新しい和室を持つ戸建ての住まい」。全国の79校、157の応募作品から地区予選と一次審査で13校が選ばれ、プレゼンテーション動画などの二次審査を経て、優勝や特別賞を含む七つの賞と六つの優秀賞が選出された。
同校の生徒たちは同市和歌浦中にある「あしべ屋妹背別荘」に注目。多様な使い方をすることで地域の人や観光客など誰でも交流できる空間への改修を考案した。同別荘は明治時代に南方熊楠や孫文、夏目漱石ら多くの文化人が訪れた元旅館。生徒たちは同別荘の協力を得て、昨年4月から現地調査を重ねてきた。「和室で広がる地域と交流~つながる人々~」と題し、東側にある25畳の奥座敷を中心に子どもたちの学習塾やクラブ活動の場、多世代が集う図書室、観光客向けのゲストハウスとしての新たな可能性を見いだし、設計や模型作りに取り組んだ。
同校で2月27日、表彰式が行われ、同会の坂本暁史副会長が生徒一人ひとりに表彰状を手渡した。
歴史調査と模型を担当した蔭山陵さんは「細かい模型作りに苦労した。自分一人ではなくみんなで喜べた」、宮井湧成さんは「ひたすら地図を描きました。昨年は受賞できなかったのでうれしい」、4月から設備管理会社に勤める生駒紗千さん(18)は「試行錯誤して変更が何度も出て大変だった。みんなで連絡し合い、協力して完成した。将来は困ったときに頼られる人になりたい」と笑顔だった。
坂本副会長は「独自の設計で、若い感性がストレートに表現されている。たくさん経験して将来につなげてもらいたい」と話した。

