地域の「宝物」伝えよう 名草小に歴史資料館

タイプライターに触れる児童
タイプライターに触れる児童

和歌山市紀三井寺の名草小学校(岩本祐子校長)の3階に、同地区で使われていた生活道具や農機具などを集めた「歴史資料館」が開館した。153年の歴史を持つ同校や地域で使われていた道具を「地域の宝」として、後世に伝えるもの。このほど除幕式が行われ、児童と地域住民らが開館を祝った。

同校の旧校舎には、かつて名草地区で使用されていたさまざまな道具類が「歴史資料室」に保管されていた。しかし近年は立ち入りができず、目にする機会もほとんどなかったという。そんな中、旧校舎の取り壊しが決まり、資料室にある道具類を現校舎に移設する必要があった。岩本校長からの「6年生で取り組んでみてはどうか」という提案をきっかけに、貴重な資料を展示する歴史資料館をつくろうと準備を進めてきた。

昨年7月に6年1組と2組の児童59人が搬出し、現校舎に運んだ。そこから自分たちが気になったものについて、作られた時期や用途を調べてまとめ、展示用のラベルを作成。明治から昭和時代にかけて使われた茶釜や黒電話、木製蛇腹カメラ、選果機など約100点を、「飲食」「生活」「農業」「産業」「学校」の五つに分類した。また、先月中旬には県立紀伊風土記の丘の学芸員を招いて展示のこつを教えてもらったり、南方熊楠記念館(白浜町)を見学して物の配置などのアドバイスを受けたりしたという。展示物は、「触らないでください」と表示があるもの以外は触れることができる。

除幕式には、地域住民や保護者ら約50人が来場。6年生がガイド役を務め、来場者に展示物について説明した。

6年2組の内田陽渚さんは「卒業前にいい思い出になりました。どこに何を置くか考えるのが難しかったけど、展示物のラベルを作るのが楽しかった」、名古曽朱音さんは「昔の道具は教科書で見たことあるけど、実際に見て、本当に使われていたんだなと驚きました」と話した。

1組担任の土山泰弘教諭は「(6年生は)コロナ禍でいろいろ制限されてできないことも多かったと思います。自分たちで作り上げた資料館はこれからも学校に残るのですごく充実感を持てたのではないか」と話していた。

平日のみ開館。午前9時から午後3時まで(水曜日のみ正午まで)。