和歌山市など浸水面積減 県が南海トラフ地震新想定

和歌山県は25日、南海トラフ地震の新たな地震動予測と津波浸水想定を公表した。昨年3月の国の最新推計や、より精度の高い地形データなどを反映させた内容で、県全域で大幅な変化はないものの、「最大クラスの巨大地震」の場合、串本町の一部で津波到達時間が最短1分となり、和歌山市や海南市で浸水面積が減少するなどの変化があった。宮﨑泉知事は「一喜一憂することなく、今まで通り自助、共助の取り組みを進めるようお願いする」と述べた。
前回の地震動予測は2013年、津波浸水想定は14年に公表しており、10年以上が経過。今回の見直しも前回と同じく、約100年周期で発生する「発生頻度の高い地震」(M8・7)と、数千年から数万年に一度の「最大クラスの巨大地震」(M9・1)の2種類についての想定を示した。
地震動予測に大きな変化はないが、市町村別の最大震度をみると、発生頻度の高い地震で那智勝浦町と太地町が前回の6弱から6強に、最大クラスの巨大地震で日高川町が前回の6強から7に1階級上がるなどした。
津波浸水想定では、最大クラスの巨大地震での1㍍の津波到達時間が串本町で前回の3分から1分に早まったが、町の沿岸部全ての到達時間ではなく、県は必要以上に恐れないように呼びかける。1分で到達と想定されるのは紀伊大島の東端付近の断崖の地域で、同町の市街地への到達は5分と想定されている。
一方、発生頻度の高い地震の場合は、同町への最大津波の到達時間は、前回の5分から8分へと長くなっている。
浸水面積は、地形データの精度向上などにより県全体では減少した。発生頻度の高い地震では県全体で約250㌶の減少で、市町村別では和歌山市が230㌶減、海南市が60㌶減など5市町で減。一方、串本町が30㌶増、御坊市が10㌶増など6市町で増加がみられた。
最大クラスの巨大地震では県全体で約300㌶の減少となり、和歌山市が330㌶減、御坊市が20㌶減、海南市が10㌶減など6市町で減少。増加したのは串本町の50㌶など8市町だった。
県の新想定の公表を受け、県内市町村はハザードマップの更新などを進めることになる。県は今回の想定を基に、人的・部的被害の新たな想定、具体的な対策をまとめ、26年度中に公表する。
今回公表した新想定は、県防災企画課ホームページに掲載している。


