伝統の朱、強さと美光る 根来塗の受講生作品展

和歌山県岩出市の「根来寺根来塗」の技法を学ぶ受講生による作品展が4月13日まで、同市根来の市民俗資料館で開かれている。
10代から80代までの84人が半年から1年かけて手がけた皿やわん、箸、盆など約400点を展示している。
根来塗は、鎌倉、室町時代に根来寺で作られた朱塗りの漆器。1585年の根来攻め以降に途絶えた「幻の技法」とされるが、指導にあたる根来塗曙山会代表の池ノ上辰山さんが、権威者の河田貞氏と共に復興させた。特長は、沸騰したお湯を注いでも、落としても壊れないほどの堅牢な強度と、実用性に裏打ちされたシンプルな造形美にある。
プロを目指す「上級コース」の14人は、完成までに26もの厳格な工程を要する高度な技法に挑んでいる。池ノ上さんは「600年前と同じ最も難しい技法。昔と同じやり方で、ものすごく頑張って作った。その技の重みを感じてほしい」と話す。
一方、70人が在籍する「一般コース」は、工程数は上級の半分から3分の1程度だが、使用する道具や素材、基本的な工程は全て本格的な技法に基づいている。漆の乾燥過程で意図せず生じた「縮み」を独自の味わいとした作品もあり、手仕事ならではの温かみと試行錯誤の跡が伝わる。池ノ上さんは「どちらのコースも、ゼロから本物の下地を全て自分で手がけている。一生使える本物の魅力を知ってほしい」と呼びかけている。
午前9時~午後5時。期間中の水・土曜日午後1時半~3時半には制作実演の見学ができる他、29日、4月5日には体験会も開かれる。
同講座では2026年度の受講生を募集中。市民が対象で、講座日は原則、水・土曜日の週2回。期間は3年。受講希望者は同館で直接申し込む。または郵便はがきに住所、名前(ふりがな)、電話番号を記載して同館に郵送(〒649―6202、岩出市根来2306番地の1)。電話では受け付けない。締め切りは4月2日。
展示、申し込みなどに関する問い合わせは同館(℡0736・63・1499)。


