「市民の台所」新装開場 中央卸売市場新青果棟

4月に供用開始となる新青果棟の外観
4月に供用開始となる新青果棟の外観

和歌山市中央卸売市場(同市西浜)で建て替えを進めていた「新青果棟」が完成し、耐震性の確保や衛生管理の高度化などを目的に順次実施してきた同市場内各施設の再整備が完了した。29日に同棟の開場記念式典が開かれ、市や市場関係者、来賓らが出席し、4月からの供用開始を目前に、テープカットなどで「市民の台所」の新たなスタートを祝った。

同市場は県内唯一の中央卸売市場で、1956年に前身の「中央市場」が同市湊紺屋町に設置され、74年に現在の場所に移転、開場した。2012年の耐震診断で地震による倒壊の危険性が高いと判断され、市は市場関係者らと協議の上、敷地内での建て替え再整備を決め、各施設の工事が順次行われてきた。

完成した新青果棟は鉄骨造り2階建てで、延べ床面積1万3564・85平方㍍。外気の影響や害虫の侵入などを防ぐ「閉鎖型」を採用し、空調設備により一定の温度管理を保持することで「コールドチェーン(低温流通体系)」を確立し、生鮮食料品の鮮度保持と品質向上を両立させる。さらに、場内の物流動線を機能的に整理したことで、荷下ろしや積み込みの作業時間を短縮し、業務の負担軽減と効率化を追求した。

また、最新の耐震基準を満たした構造となったことで、大規模災害が発生した場合でも流通を途絶えさせることなく、生鮮食料品の安定的な供給を図る。

式典は新青果棟屋外の大きな軒下で行われ、主催者として尾花正啓市長と市中央卸売市場協会の岸泰宏会長があいさつ。尾花市長は14年の就任以来、市場関係者との協議を重ね、再整備を決断、推進してきた12年間を振り返り、「全ての完成を見ることができ感無量だ。今後は充実した市場機能を生かし、新たな付加価値を生み出すこと、和歌山の農水産物が国内外の食卓に届けられ、地域の食文化が広く共有されることを期待している」と喜んだ。

来賓として宮﨑泉知事、芝本和己市議会議長、農林水産省卸売市場室の鈴木裕室長、県選出の国会議員らがそれぞれ祝辞を述べた。

市青果仲卸業協同組合の川﨑悟理事長は謝辞で、「市場関係者の存在意義は、生産者と消費者を結ぶ『目利き』として、また地域の食文化を支える『食の防波堤』として、変化し続ける時代のニーズに応え続けることにある。この新しい拠点は、まさにその使命を次世代へとつなぐための礎だ」と話した。

テープカットで式典が終わると、出席者は新青果棟内へと入り、説明を受けながら新しい設備を見学した。

新青果棟には仲卸業者9社が入り、4月2日に初せりが予定されている。