和工卒の出口飛龍さん 夢のボートレーサーに

和歌山市西浜の和歌山工業高校卒業生の出口飛龍(ひりゅう)さん(19)が、国内で唯一の福岡県柳川市のボートレーサー養成所を修了し、プロのボートレーサーとして活動する。県内で現役4人目で、同校からは初。5月23~27日に大阪・住之江で行われるレースでデビューを飾る。3月30日には母校を訪れ、デビュー戦に向けて意気込みを語った。
出口さんは御坊市出身。小・中学校で野球に汗を流し、同校の硬式野球部では内野手としてプレーした。大学でも野球を続けようか悩んでいたところ、幼い頃に父の恵一さん(47)と訪れたボートレース場が印象に残っていたことや高校時代に観戦したレースに魅了されたことから、2024年の夏にボートレーサーを目指そうと決意したという。
養成所の入所試験は学科、体力・適性、面接の3段階にわたる難関。出口さんは「難しかったですが、やれるだけのことをやったのであとは合格発表の日まで待つだけでした」と振り返り、「合格」という文字を目にした時は、「夢かと思った。信じられないほどうれしかったです」と笑顔。この年の第138期試験には全国から1074人が挑み、合格者はわずか49人。競争倍率22倍という狭き門だった。
合格後は同養成所で1年間の厳しい訓練を受けた。所内では携帯電話の使用が禁止されるなどの規則の下、決められたスケジュールの中でエンジンについての知識や関係法規、救急法などを習得し、規律を守り礼節を保つことを学んだ。操縦訓練では旋回やスタート練習などの基礎を固めた。
複数回の試験を経て、国家資格の取得試験に合格。入所時に50人近くいた同期も、養成所の修了時は約半数にまで絞られたという。
出口さんは「養成所での生活は覚えることが多く大変だったが、操縦訓練で初めてボートに乗れた時のうれしさは今も忘れられません。やっとスタートラインに立てた。3年以内に(ボートレーサーの最上位である)A1に上がることが目標」と話した。
デビュー戦には家族や同校の教員らも見に来てくれるといい「初めてのレースは不安や緊張もあるけど楽しみの方が大きい。無事にレースを終えて、応援してくれる人たちに頑張る姿を見せたい」と目を輝かせた。
同校硬式野球部の中本和希監督は「けがなくボートレーサーとしての人生を歩んでほしい。私自身、故障で野球人生を終えてしまった経験があるので、体を大切にして長くレーサーを続けてもらえたら」と話していた。


