日本一周へラストラン 自転車で栗原さんが横浜に出発

笑顔で和歌山駅前を出発する栗原さん
笑顔で和歌山駅前を出発する栗原さん

横浜市港北区在住の栗原茂実さん(74)が14日、和歌山市美園町のJR和歌山駅前を出発し、自転車で横浜市まで走る挑戦を始めた。約800㌔を2週間かけて走破する予定で、成功すれば9年前から続けてきた「日本一周自転車走破計画」が完結する。

栗原さんは2017年から自転車で全国を巡り、横浜から北海道、下関、日本海側、九州、四国などの海岸線を中心に自転車で走ってきた。今回の「和歌山~横浜」ルートを完走すれば、日本の海岸線をほぼ1周したことになるという。総走行距離は約1万300㌔に及ぶ。クラシックなデザインの愛車「スワロー・ランドナー」と旅を楽しんできた。

北海道出身の栗原さんは小学生の頃から自転車通学で、自転車は生活に欠かせないものだったという。21歳の頃、当時住んでいた茨城県取手市から、生まれ故郷の北海道妹背牛町まで自転車で走破した経験もあり、「走ったこと以外、何も覚えていないくらい夢中だった」と振り返った。

会社勤めを終えた後、キャンプで出会った人に「稚内から日本海側を走るときれいですよ」と勧められたことをきっかけに、「また自転車で走りたい」という思いが再燃したという。これまでには、新潟県上越市から山口県下関市まで約2000㌔を1カ月かけて走破。海沿いや旧街道を巡りながら、日本各地の風景や人との出会いを楽しんできた。コロナ禍や坐骨神経痛、頸椎の手術などで中断を余儀なくされた時期もあったが乗り越え、「何が何でも最後までやり遂げたいという気持ちが年々強くなった」と話す。

今回は下関から北上する旅の締めくくりで、昨年5、6月に走った「門司~和歌山」の続きだという。

この旅に合わせ、栗原さんは県内の観光も満喫した。高野山では大門から奥之院まで歩き、精進料理や酒まんじゅうを味わった。「素晴らしい場所。心が落ち着きました。紅葉の時期はきっと美しいんでしょうね」と笑顔。また、過去には白浜や那智勝浦も訪れているといい、「和歌山は海がきれいで、穏やか。皆さん温かい人ばかりで、昨日も宿泊先で出会った方と連絡先を交換しました」と話した。

以前は一日70㌔以上走ることもあったが、近年は「距離よりも景色や土地の魅力を楽しみたい」と考えるようになり、現在は50㌔ほどのペースで走るようになったという。途中で風景のスケッチをしたり、地元の人との交流を楽しんだりしながら旅を続けている。

「天気のいい日に海岸線を走ると、本当に気持ちがいい。見渡す限り、景色が全部自分のものになったような気持ちになる。幸せですね。(日本一周を始めた)66歳からが一番楽しい。人生のいい思い出になっている」と笑顔で話した。

今後の目標は、訪れたことのない地方に行き、のどかな景色を見ながらゆっくり走ること。「80歳くらいまで元気に自転車に乗れたら」という。

栗原さんは有田市などで宿泊しながら紀伊半島を南下し、ゴールの横浜を目指すという。