北方領土「不法占拠許せぬ」 中学生研修リポート③

肉眼で見える北方領土の話を聞く生徒ら
肉眼で見える北方領土の話を聞く生徒ら


北方領土に関する研修3日目、和歌山県内から参加した中学生たちは、根室半島最東端の納沙布岬にある、北方領土啓発施設「北方館」を訪れ、同館の本間隆平さん(34)から話を聞いた。

同館は1980年に開館。返還要求運動の原点の地であり、資料展示を通して歴史的経緯や現状を伝えている。

生徒たちは、北方領土返還を祈るシンボル「四島(しま)のかけ橋」や沖縄から採火され返還まで燃やし続ける「祈りの火」を見学。肉眼で北方領土を確認した。

貝殻島を望遠鏡で確認する生徒
貝殻島を望遠鏡で確認する生徒


現在、択捉、国後、色丹島の3島には、約1万9000人のロシア人が居住している。日本は認めていないが、各島と本土の間には事実上の海の境界線「中間ライン」が存在し、越えるとロシア側に拿捕(だほ)や銃で撃たれるなど武力行使に遭うのが現状。

本間さんの祖父は歯舞群島・勇留島の元島民。歯舞周辺では、良質なコンブが採れ、多くの島民はコンブ漁で生活してきた。

旧ソ連軍侵攻後も猟師たちは漁をしていたが、武力行使に遭い、命の安全確保や生活を守るためロシアと民間協定を結び、漁の期間(6~9月)、ロシアに年間7000万円を超える入漁料を支払って漁をしている。

本間さんは「一番近い貝殻島まで3・7㌔㍍、近くても行けない状況。近さを実際に見て感じてもらい、問題があることをみんなの力で伝えてほしい」と伝え、西浜中学校2年生の田伏諒音さんは「ロシアの不法占拠なのに、なぜ漁師がお金を払って漁をしなければいけないのか、許せない。どうすれば平和的に話し合い、返してもらえるのか、僕に何ができるのかずっと考えている」と話した。


(北方領土の現地リポートは仲井啓子が担当しました)