高校生が加茂郷駅に「感謝」の看板

 日ごろ世話になっている地域への感謝を形で表そうと、 海南市下津町丸田の市立海南下津高校 (上野幸浩校長) の生徒たちが15日、 「感謝」 と刻んだ看板を同市黒田のJR加茂郷駅に寄贈した。 旧生徒会執行部、 書道部などの有志約10人が作った。 今後、 同駅のシンボルとして親しまれそうだ。

 多くの生徒が通学で同駅を利用しており、 地域住民と登下校時にあいさつを交わしたり、 一緒に駅前を清掃したりと親密に交流してきた。 生徒が東日本大震災や台風12号水害被災地の復興支援のために義援金の寄付を呼び掛けた時も、 多くの人が募金に協力した。

 制作は1月から始まり、 同校書道教師の前原容子さん (44)、 美術教師の中東照茂さん (60) が監修と指導を行った。 文字を手掛けたのは、 旧生徒会執行部の書記長で、 書道部3年生の西田三寿々さん (18)。 西田さんは全国規模の書道大会に県代表として出場したこともある実力の持ち主で、 力強い文字を書いた。

 板は奈良県吉野から購入した特注のスギの板で、 厚さ8㌢、 縦65㌢、 横150㌢の一枚もの。 のみや彫刻刀などで厚さ約1・5㌢を彫る作業が力が必要で大変だったという。 完成品は西田さんの達筆な字が木の板に映え、 住民から 「町の宝にしたい」 という声も上がっている。

 西田さんは 「たくさんの人が駅を利用するので、 感動を与えられるような字を書くように心掛けた」 と笑顔。 現生徒会長の林絵理子さん(17)は 「先輩たちが長い時間をかけて作ってくれた板を大切に守っていき、 これからもずっと残していきたい」と話していた。