移住やコロナ対応強化 和市人事異動821人

和歌山市は23日、4月1日付発令の2021年度定期人事を発表した。異動規模は821人(前年度比104人減)、うち昇任は294人で、新型コロナウイルス禍での業務の継続性などを考慮し、小さくなっている。組織体制では、移住定住戦略課やデジタル推進課を新設し、新型コロナに対応する保健所、文化振興課などの人員を増やし、強化する。

局長級は、危機管理局長に亀井利昭危機管理部長、財政局長に嶋本敏雄経営管理部長が就任するなど、異動する9人全員が昇任となる。

部長級以下の異動の内訳は、部長級26人(うち昇任19人)、課長級56人(同41人)、副課長級89人(同39人)、主務班長級119人(同62人)、班長級207人(同54人)、一般315人(同70人)。20年度末の退職者は116人で、うち定年退職は96人。4月1日現在の職員数は前年度比61人減の2930人で、平成以降の最少を更新する。

今回の異動では、職員がやりがいや充実感を持ち、能力を十分に発揮できる配置に努める一環として、新設の移住定住戦略課とデジタル推進課、既設の都市再生課の3課の課長を初めて庁内公募した。応募者の中から、移住定住戦略課長には主務班長級からの飛び級で松井宏晃氏が昇任、都市再生課長には吉田哲雄氏が昇任し、デジタル推進課長への応募はなかった。

移住定住戦略課は、テレワークやサテライトオフィスなどが進む現状を踏まえ、大都市からの移住・定住に重点的に取り組む。デジタル推進課は、行政手続きのオンライン化など市民の利便性向上や、行政課題の解決に向けてデジタル化を進める。

新型コロナ感染拡大防止などの対策に当たる保健所の職員数は、20年度当初の119人から133人に増員する。

紀の国わかやま文化祭の開催、有吉佐和子邸の復元工事着手など文化を通したまちづくりを進めるため、文化振興課の職員を前年度に続いて増やし、1人増の30人とする。

4月1日現在の庁内の組織数は、13局、29部(前年度比1減)、113課(同1減)、375班(同10減)の体制となる。