和歌祭の「獅子」復活へ 紀州東照宮で神事
紀州東照宮(和歌山市和歌浦西)で16日、例祭「和歌祭」の神事が執り行われた。新型コロナウイルス感染症防止のため、「神輿(みこし)おろし」や「渡御(とぎょ)行列」は秋に延期して行う予定。
また、断絶していた種目「獅子」や「棒振」などの道具や衣装を新調したことを神様に告げる奉告祭も併せて行われた。
徳川家康の霊を祭る紀州東照宮は、1621年(元和7)に家康の息子で紀州徳川家初代頼宣が創建した。同東照宮では毎年家康の命日である17日に近い休日に例祭「和歌祭」を行っていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年は中止とした。
この日、本殿で行われた神事には関係者約30人が出席し、西川秀大禰宜が祝詞を奏上。その後、復活した「獅子」が披露され、参列者は魔を払うという獅子に頭をかんでもらっていた。獅子は2008年以降担い手不足などにより途絶えていたが、来年同祭が400年を迎えるのに合わせて、復活した。秋の同祭で披露される予定。
和歌祭保存会の中山豊若実行委員長(47)は、「コロナの影響で去年も中止したため、一日も早い終息を願うばかり。ことし秋の開催と来年の400年大祭に向けて頑張っていきたい」と話している。